【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【愛知】カラフル御朱印、乙女心つかむ 大須の三輪神社

【愛知】カラフル御朱印、乙女心つかむ 大須の三輪神社

ジャンル・エリア : 寺社・仏閣 | 愛知  2019年11月05日

改元を記念した平成と令和の御朱印

改元を記念した平成と令和の御朱印

 創建約450年を迎えた三輪神社(名古屋市中区大須3)が近年、女性の参拝客を中心に人気だ。理由は、小まめに変わるカラフルな御朱印や、御祭神にちなんだうさぎの絵馬。週に何度も通う“常連”もおり、御朱印を目当てに行列ができることも。いずれも「若い人に神社に足を運んでほしい」と考えた平尾晴美宮司(45)の発案。女性宮司らしい感性が生きた御朱印や境内は「かわいい」と評判だ。

 10月末の平日の夕方。境内には10人ほどが参拝に訪れていた。北名古屋市の介護士の女性(44)は、自身の干支(えと)のうさぎにちなんだ御朱印をインターネットで検索し、約1年半前に初めて参拝。「かわいい御朱印が次々に出るので、何回でも来たくなる」と、今も月2~3回通う。

 従来は三輪神社の名を墨書きしたシンプルな御朱印だけだったが、2016年ごろからカラフルな御朱印を始めた。

 きっかけは、銅ぶき屋根の改修費用に頭を悩ませたことだ。平尾宮司が10年に就任して間もなく屋根の寿命を迎え、次第に雨漏りも目立つように。改修費用は約4000万円。寄付を募ったが、氏子は20数軒と少なく、高齢化も進む。そこで「若い人に足を運んでほしい」と御朱印に目を付けた。

 現在は正月や節分、ひな祭りなどに合わせた「月替わり」のほか、祭事に合わせた「期間限定」など常時6種以上の御朱印を扱う。改元に合わせて、平成や令和にちなんだ限定の御朱印を発行した際は、6時間待ちだった。

 デザインを考える4人や受け渡しを手伝う数人は、もともと参拝客だ。平尾宮司が「今日はどうしたの」などと参拝客に話し掛けるため、次第に仲良くなり、手伝いを頼むように。毎週通う参拝者は「あんなに明るくて、親しみやすい宮司さんはいない」と話す。

 13年には「御祭神を知ってほしい」と、神様の使いとされるうさぎの石像を境内に設置。16年には、うさぎの人形をあちこちに置いた。切り株の中やご神木の根元、草むらや灯籠の中などに、小さな人形が隠れている。写真を会員制交流サイト(SNS)に載せる人も多い。今年4月にはうさぎの形の絵馬を導入し、こちらも人気だ。

 10月4日には無事、念願だった銅ぶき屋根の改修を終えた。平尾宮司は「屋根改修の使命を完了し、肩の荷が下りた思い。時代が変わる中でも、感謝の気持ちを持って神社に手を合わせていただけてうれしい」と、きらきらと銅色に輝く屋根を見上げた。

 (豊田直也)