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【三重】酒米実り純米大吟醸に 南伊勢の住民有志が商品化祝う

ジャンル・エリア : まちおこし | グルメ | 三重 | 特産  2020年01月15日

商品化を祝い、完成した日本酒で乾杯する関係者ら=南伊勢町道行竈で

商品化を祝い、完成した日本酒で乾杯する関係者ら=南伊勢町道行竈で

 南伊勢町道行竈(みちゆくがま)で収穫した酒米を使った日本酒が完成し、12日から販売が始まった。地区は古くからの米どころとして知られるが、年々耕作放棄地が増加。その土地を活用して初めて酒米を手掛け、日本酒に仕上げた。ブランド化を目指しており、伊勢志摩地域の酒店で販売している。

 道行竈の地区は人口減が進み住民は40人ほどで、将来的な集落の維持が厳しい状況にある。水源が豊富なことから、常に冷えた水を田んぼに張ることができ、かつてはおいしい米が取れることで有名だったという。そこで道行竈の田んぼを復活させようと、2018年12月に住民有志が町役場や皇学館大(伊勢市)らと協力しプロジェクト「チーム道行竈」を立ち上げ、酒米づくりに挑んだ。35アールの休耕田を復田し、昨年4月27日に田植えをした。

 8月の台風で稲が倒れるなどの被害もあったが、順調に育ち、同月末に収穫。酒米は若戎酒造(伊賀市)が「純米大吟醸 道行竈」に仕上げた。ラベルは酒米が育った田んぼの様子を描いたイラストをあしらった。

 精米歩合は50%で、香り高さとすっきりとした味わいが魅力。12日に道行竈生活改善センターであったお披露目会では、関係者らが商品化を祝った。前区長でプロジェクトの会長を務める島田安明さん(67)は「いろんな人の協力のおかげでここまでこぎ着けた。集落の盛り上がりにもつなげたい」と意気込む。

 日本酒は720ミリリットル3000円で、若戎酒造などで販売している。1000本限定。(問)チーム道行竈事務局=090(6640)5227

 (山村俊輔)