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【福井】ゆかりの作家を身近に 県ふるさと文学館が5周年

ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 福井  2020年02月03日

開館5周年を迎えた県ふるさと文学館

開館5周年を迎えた県ふるさと文学館

 福井市の県立図書館内にある県ふるさと文学館が、開館5周年を迎えた。福井ゆかりの作家たちの人生や作品が分かりやすく展示され、直筆原稿など貴重な資料が見学できる。節目を機に館内を歩いてみた。

 文学館は2015年2月1日に開館。以前は「郷土・環日本海コーナー」として福井ゆかりの作家の著書などが置かれていた一画を改装した。図書館の入り口からは少し奥まった場所にあり、入館は無料。随所に展示の工夫が凝らしてあり、取材を忘れて見入ってしまうほどだ。

 常設展示では、福井ゆかりの代表作家として、芥川賞作家で特別館長の津村節子さんや「飢餓海峡」など多くの作品が映画やテレビドラマになった水上勉さんをはじめ、詩人で文芸評論家の三好達治、プロレタリア文学の中野重治、小説家で詩人の高見順を紹介。5人の写真や筆跡を眺めながら、それぞれの紆余(うよ)曲折の人生に思いをはせた。苦難を乗り越えて切り開いた作家人生に頭が下がる思いがした。

 無料の音声ガイドもある。津村さんや現代詩作家の荒川洋治さんの声で、ガイドを受けられるのはぜいたくだ。福井の文学者の関係図にも驚いた。北荘文庫、福井文人の会。互いに刺激を与え合っていたのだと新鮮だった。

ミニチュアや漫画で再現された則武三雄さんの書斎=いずれも福井市の県ふるさと文学館で

ミニチュアや漫画で再現された則武三雄さんの書斎=いずれも福井市の県ふるさと文学館で

 北荘文庫の創設者、則武三雄(かずお)さんの書斎のミニチュア展示も見応えがある。質素で真剣な「福井の文学サロン」の雰囲気がうかがえ、則武さんのしかめ面の人形に、かえって親しさとユーモアを感じた。

 先月末に亡くなった福井市出身の直木賞作家藤田宜永さんも紹介されている。

 同館は福井ゆかりの文学に親しんでもらおうと、5億8000万円を投じて建設された。堂阪弘美館長は「5周年を機にさらに広く親しんでほしい。若い人たちに文学に興味を持ってもらうきっかけをつくれたら」と話していた。

 (藤共生)

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