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【石川】観客と俳優、美術混在 21美で「消しゴム森」7日開演

ジャンル・エリア : エンタメ | 石川 | 芸術  2020年02月05日

展示室内で、俳優と観客の境目なく繰り広げられる演劇「消しゴム森」のリハーサル=金沢21世紀美術館で

展示室内で、俳優と観客の境目なく繰り広げられる演劇「消しゴム森」のリハーサル=金沢21世紀美術館で

「人のための演劇」問い直す

 改修を終えてリニューアルオープンした金沢市の金沢21世紀美術館で7日から、展示室内で俳優と観客の境目なく演じる演劇「消しゴム森」が上演される。革新的な演劇で知られる劇団「チェルフィッチュ」を主宰する演劇作家の岡田利規さんが、観客、俳優、舞台美術となる物が混在する新たなスタイルの演劇に挑む。(松岡等)

 作品は、岡田さんが2017年に東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市を訪れた際、広大な土地を高さ10メートル以上もかさ上げしていることが、「人間中心の尺度」で行われていることに違和感を感じたことが契機になった。「人間の、人間による、人間のための演劇」から離れ、舞台と観客、物や空間と人間の関係を問い直す試みという。

 7つの展示室を使う。「演劇」と名付けられた部屋では、セノグラフィー(舞台美術)を担当した美術作家の金氏徹平さんによる工事用の柵や配水管、ガードミラー、石碑などさまざまな物が並び、観客が居合わせる中で男女6人の俳優が演じる。

 他に、壁に演技する俳優の映像を投影し室内を劇的空間に変える「映像演劇」、物が主役のライブ映像を映写する「彫刻演劇」など、各部屋で斬新な演劇空間をつくる。昨年10月に京都市で上演した劇場版「消しゴム山」の美術館版となる。

 16日まで毎日上演する(10日は休館)。開場は午前10時~午後5時で、俳優によるパフォーマンスは午前11時~午後4時に見ることができる。一般2300円、大学生と65歳以上2100円。高校生以下1100円。