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【福井】県立美術館で出店さんの回顧展 越前町出身

ジャンル・エリア : 展示 | 福井 | 芸術  2020年02月18日

出店さんの創作活動を回顧するテーマ展=福井市の県立美術館で

出店さんの創作活動を回顧するテーマ展=福井市の県立美術館で

 県立美術館のテーマ展「福井発 アートを変革したシュルレアリストたち」が、同美術館で開かれている。越前町出身の作家、出店(でみせ)久夫さん=埼玉県所沢市=に光を当て、創作活動を回顧。出店さんの回顧展は初めて。3月15日まで。

 1945(昭和20)年に越前町で生まれ、妹の死や機雷で亡くなる子どもたちなど、死は幼いころから身近だった。中学時代に腰椎カリエスで入院した際、死を前に泣き叫び救いを求める大人たちの姿を目にし「死ぬ瞬間まで好きなことをやろう」と決めたという。こうした経験が、独自の死生観を意識した制作につながっている。

 テーマ展では、初期の油彩から、ポップアートを基調とした絵画、写真のコラージュ作品まで、出店さんの創作活動をたどる計35点を展示。写真技師として働いていた経験を生かし、自身が撮影した写真を、左右対称や上下反転に組み合わせるなどして構成するのが特徴で、故郷の漁港の風景を表した「コラージュ2002-私風景山背2(ローマ数字の2)」もその一つだ。

 テーマ展では、福井ゆかりの作家3人の絵画7点も紹介している。3月1日午後2時から、出店さんと県立美術館学芸員との対談もある。観覧料は一般・大学生100円。

 (清兼千鶴)