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【石川】和倉温泉 わかす工夫 大宴会場を個室の食事処に

ジャンル・エリア : 温泉 | 石川  2020年03月19日

【上】くつろぎながら能登の食を楽しむ美湾荘の個室ダイニング「彩」の部屋 【中】美湾荘の個室入り口に飾られたカニの模型 【下】コンベンションホールを改装し、昨年6月にオープンしたホテル海望の「渚ダイニング」(同ホテル提供)=いずれも七尾市・和倉温泉で

【上】くつろぎながら能登の食を楽しむ美湾荘の個室ダイニング「彩」の部屋 【中】美湾荘の個室入り口に飾られたカニの模型 【下】コンベンションホールを改装し、昨年6月にオープンしたホテル海望の「渚ダイニング」(同ホテル提供)=いずれも七尾市・和倉温泉で

会議ホールをレストランに

 全国的にも知名度がある七尾市・和倉温泉で、時代の流れに伴う宿泊者のニーズの変化に対応した旅館が出始めている。団体客の減少などに伴い、大宴会場を個室の食事処(どころ)に様変わりさせたり、コンベンションホールをレストランに改装したり。一方で、部屋食など従来と変わらない一貫したサービスでもてなす旅館も健在。多様化する需要に応えようと、各旅館が趣向を凝らしている。(稲垣達成)

 「ゆけむりの宿 美湾荘」では20日、2~12人が入れる13部屋を設けた個室ダイニング「彩(さい)」がオープンする。どの個室にもソファを用意し、くつろぎながら食を楽しめる空間としてPRしていく。若おかみの多田直未さん(38)は「部屋によってデザインもさまざま。仕事の商談や接待の場面でも使えるほか、大切な人との記念日のお祝いでも楽しめる」と語る。

 もとは、200畳の大宴会場だった。昭和の時代の象徴だったとも言われる宴会を伴う団体客は時代と共に減少。ニーズに応じて空間を有効活用しようと、和倉温泉の旅館では珍しいという個室ダイニングを設けた。

 各部屋の入り口には、カニなど県内の名物をかたどった模型などを飾り付けた。七尾市の「青柏祭の曳山(ひきやま)行事」で使われる「でか山」の模型や輪島塗のおわん、水引細工などが目を引く。多田さんは「視覚的にも楽しめる」と強調。空き状況次第で、日帰り客も利用できる。

 ホテル海望は昨年6月、団体客の減少などから稼働率が低かったコンベンションホールをレストラン「渚(なぎさ)ダイニング」に改装した。宿泊客を対象に夕食は和食コース料理、朝食はビュッフェを提供。七尾湾が望める「一等地」で能登の食が堪能できるとして、注目を集めている。

 変革を見せる旅館が現れる一方で、変わらぬサービスでもてなす旅館も。加賀屋は以前から宿泊客には部屋食や食事処を提供している。最大450人が利用できる大宴会場など42の宴会場を設け、多彩なプランを用意。伝統的なスタイルを貫いている。