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【富山】郷土作家 魂の競演 高岡市美術館 春の企画展

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 工芸品 | 芸術  2020年04月10日

(上)最初に入場者を迎える「花籠図古鏡文衝立」(下)棟方志功の「美魅壽玖鳥板壁画譜」=いずれも高岡市美術館で

(上)最初に入場者を迎える「花籠図古鏡文衝立」(下)棟方志功の「美魅壽玖鳥板壁画譜」=いずれも高岡市美術館で

交流から豊かな創作 80点

 高岡市美術館は10日から、郷土ゆかりの収蔵品を紹介する「賜(たまもの) コレクションのたのしみ」を開く。来年の創立70周年に向けた企画展。2019年度に収集家から寄贈された新収蔵品20点など絵画や彫刻、工芸の名作80点が並ぶ。5月6日まで。(武田寛史)

 テーマは作家同士の交流から創作された作品群。初公開作品を中心にした「作家たちの交流」、大型作品をそろえた「作家たちの競演」の2部構成。

 明治期の名工・二代石井勇助に師事した漆芸家・中山久勇(きゅうゆう)(1864~1932年)の華やぎのある作品「花籠図(はなかごず) 古鏡文衝立(こきょうもんついたて)」が入場者を迎える。「錆絵(さびえ)技法」で当時人気があった花籠図が表現されている。

 日本人とは何かを問い続けた市出身の彫刻家・村上炳人(へいじん)(1916~97年)の彫刻作品「猩々(しょうじょう)」「寒山拾得(かんざんじっとく)」、木板画家の棟方志功(1903~75年)の「美魅壽玖鳥板壁画譜(みみずくどりはんへきがふ)」など、作家の魂が込められた作品に圧倒される。

 美術館は1951年の創立以来、郷土ゆかりの作家の作品を収集。保存してきたコレクションを「春季コレクション展 お祝い3部作」と位置付けて企画展を開催。今回は昨春に続く第2弾。

 美術館の宝田陽子副主幹学芸員は「師弟や作家同士の交流から生まれた作品の豊かさが感じられる内容」と解説。村上隆館長は「歴史ある美術館の発信力を高めたい」と話している。

 開館は午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜休館(5月4日は開館)。観覧料は一般が500円、高校・大学生が300円、中学生以下は無料。