ジャンル・エリア : グルメ | 特産 | 静岡 2020年05月01日
遠方の観光客が期待できないなら、地元ファンを増やそう-。東名高速道路浜松西インターチェンジに隣接する浜名湖グルメパーク(浜松市西区)が、看板商品の割引サービスを始めた。ピンチをチャンスに。発想の転換で苦境を乗り越えようとしている。
浜名湖や舘山寺温泉の玄関口。週末ともなれば大型観光バスで混み合う駐車場には、若者の乗用車が1台。政府の外出自粛要請が直撃した。「売り上げが8割減の時もあった。この状況が続けばどうなるか」と話すのは宮近志一社長(42)。従業員の雇用、テナントの家賃、運営コスト…。どれも待った無しの状況だ。
経営が逼迫(ひっぱく)する中、従業員から提案されたのが高級スイーツ「浜松プリン」の値引き。期間限定のサービスで販路を広げようとの思いだ。イチゴの紅ほっぺやミカン、お茶、牛乳と地元食材をふんだんに使った人気商品。担当の西山葵さん(36)は「観光客の減少で生産者も苦境に立っている。こんな暗いときこそ笑顔で頑張らないと」とプリン作りに希望を託す。
グルメパークは、土産品のサービスや地元商店と連携した「持ち帰りグルメ」なども計画。コロナの終息が見通せない中で前向きな挑戦が続く。
写真、文・袴田貴資