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【富山】千靱「四季花鳥図」一堂に 福光美術館で企画展

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 芸術  2020年06月23日

地元の善徳寺が所蔵する郷倉千靱の襖絵「四季花鳥図」=南砺市の福光美術館で

地元の善徳寺が所蔵する郷倉千靱の襖絵「四季花鳥図」=南砺市の福光美術館で

 南砺市の福光美術館(法林寺)で、旧小杉町(射水市)出身の日本画家郷倉千靱(ごうくらせんじん)(1892~1975年)の企画展が開かれている。城端別院善徳寺(南砺市)の襖絵(ふすまえ)など、パステルカラーでメルヘンチックな花鳥画を中心に23点を展示する。7月5日まで。

 善徳寺の襖絵「四季花鳥図」は、椿(つばき)や白樺(しらかば)など4種類で、一堂にそろうのは珍しい。ウサギやスズメ、ボタンやブドウなど動植物は、形を単純化し、柔らかな色合いで描いている。

 郷倉は東京美術学校(東京芸術大の前身)を卒業し、東京を拠点に活躍した。京都を拠点とした旧福光町(南砺市)出身の日本画家石崎光瑶(こうよう)(1884~1947年)とは、「西の光瑶、東の千靱」と称された。

 石崎とは同郷、同時代、インド旅行など共通点が多いが、作風は忠実な写生に基づくリアルさが特徴の石崎とは対照的。同館は石崎の作品を常設展示しており、片岸昭二館長は「表現の違いを見比べて」と話す。

 火曜休館。入館料は800円、高校・大学生210円、中学生以下無料。本来の会期は新型コロナウイルスによる臨時休館中だったため、再開後に変更した。 (松村裕子)