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【石川】硲伊之助の企画展 古九谷の色彩美追求

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川 | 芸術  2020年07月03日

磁器に絵画表現を追求した硲伊之助の企画展=加賀市の県九谷焼美術館で

磁器に絵画表現を追求した硲伊之助の企画展=加賀市の県九谷焼美術館で

加賀 県九谷焼美術館

 洋画家でありながら、晩年は加賀市吸坂(すいさか)町で九谷焼の色絵磁器を制作した硲(はざま)伊之助(1895~1977年)の企画展「硲伊之助生誕125周年 古九谷追想」が、同市の県九谷焼美術館で開かれている。93件の陶芸作品を収録した図録も刊行され、硲の歩みを紹介している。26日まで。(小室亜希子)

 東京出身の硲は十代のころから画壇の第一線で活躍し、渡欧先で出会ったアンリ・マチスを生涯の師とした。公募美術団体「一水会」創設に携わり、日本美術会委員長にも就任。名実ともに画壇での地位が高まる中、59歳で「油絵への決別」を宣言し、磁器制作へと転身した。

 湿気の多い日本で油絵の具は劣化しやすい。風土に合った色彩表現を追求する中で、色をほぼ永遠にとどめる陶磁器に可能性を見いだしたという。中でも江戸初期に焼かれた「古九谷」の絵画性に魅了され、その美を受け継ぐことを使命として、吸坂町に築いた窯で制作に情熱を注いだ。

 企画展には31点の作品が並ぶ。麦畑を進む一本道や農家の内部、つややかなナスの実…。身近なモチーフが鮮やかな釉薬(ゆうやく)で器に表現され、生活の実感を大切にした硲の誠実な目線が伝わってくる。

 九谷焼作家の武腰潤館長は「堂々と色むらを表現し、それがうまく収まっている。確かな技術があり、本当の美を知る人の作品」と話す。午前9時~午後5時。月曜休館。図録(A4判、80ページ)は1500円。

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