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【福井】戦国職人、こんな暮らし 朝倉氏遺跡資料館で特別展

ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 歴史 | 福井  2020年07月17日

鉄砲の弾や鋳物師の道具など一乗谷城下の職人たちの暮らしを伝える品々=福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館で

鉄砲の弾や鋳物師の道具など一乗谷城下の職人たちの暮らしを伝える品々=福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館で

 福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館で、特別公開展「重要文化財は語る 城下町の暮らし」が開かれている。戦国時代だった当時の城下町にいた職人たちの生活にスポットライトを当て、遺跡の町屋の跡から出土したつぼや鉄砲の弾丸、茶道具など、衣食住や仕事、遊びの品々を紹介。11月10日まで。(今井智文)

 1975(昭和50)年と82(同57)年に、同遺跡で行われた発掘調査では、鉄砲職人や鋳造をした鋳物師たちが住んだ町屋跡が発見された。今回の公開展では、これらの出土品の中から重要文化財を中心に117点を展示した。

 当時の人々の一日を追うかたちで、既婚の女性が使ったお歯黒壺(つぼ)や、漆塗り皿、包丁など暮らしの品々を紹介。鉛の弾丸、火縄銃の部品、銅などを溶かす炉に風を送ったふいごの部品など、職業を特定する決め手となった出土品も多数展示している。

 抹茶をかき混ぜた茶せん、花を生けた器、すごろくで使った駒なども展示され、武士たちだけでなく庶民も茶の湯などの文化を楽しんでいたことが分かる。同館文化財調査員の酒井健治主査は「住んでいた人々の職まで分かる遺跡は非常に珍しい。当時の庶民の生きた証しを見てほしい」と話している。特別公開展は一般100円、高校生以下と70歳以上は無料。