ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 石川 | 芸術 2020年08月11日
書家、陶芸家、美食家など多彩な分野で活躍した芸術家、北大路魯山人(1883~1959年)と金沢出身の茶人、細野燕台(えんだい)(1872~1961年)の作品を紹介する企画展「魯山人と細野燕台」が、加賀市山代温泉の魯山人寓居(ぐうきょ)跡いろは草庵(そうあん)で開かれている。9月15日まで。
燕台は無名時代の魯山人の篆刻(てんこく)の才能に驚き、食客として金沢に招き入れた。山代温泉の旅館当主・吉野次郎に引き合わせ、燕台が揮毫(きごう)した看板を下ろしてでも魯山人の篆刻看板を掲げるよう頼み込んだ。
燕台は魯山人の才能を認めた最初の人物とも言われ、2人の交流は晩年まで続いた。
企画展では燕台、魯山人それぞれの篆刻看板「吉野屋」をはじめ、燕台の書や、魯山人が燕台の息子の結婚記念に制作した陶器など9点が並ぶ。篆刻看板は2人の文字を見比べてみるのも面白い。
本谷操学芸員は「燕台は魯山人のどんなところに才能を見いだし、魯山人は燕台からどんな影響を受けたのか。2人の作品を見て感じてほしい」と話していた。
午前9時~午後5時(入館は4時半まで)。水曜休館。
(小室亜希子)