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【石川】自由な発想の九谷焼 白山・吉野 松本佐一展

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川  2020年08月31日

会場に並ぶ多彩な松本佐一さんの作品

会場に並ぶ多彩な松本佐一さんの作品

 白山市吉野で九谷焼の伝統を受け継ぎつつ、自由な発想で斬新な作品を生み出してきた陶芸家松本佐一(さいち)さん(90)の作品「陶彩革新の系譜―松本左一展」が、吉野工芸の里文化交流サロン鶉(うずら)荘で開かれている。曲線や直線を生かした形状の花器や色彩豊かなオブジェなど約70点が展示されている。9月22日まで。(飯田克志)

 松本さんは金沢市出身で、陶芸一家の5代目。1950年に金沢美術工芸専門学校(現金沢美術工芸大)を卒業。74年、当時の野々市町に実験的な創作に挑む工房を開設。85年以降は旧吉野谷村が設立した「吉野工芸の里」を拠点に、創作活動をしてきた。鶉荘は当時の富山県利賀村から移築し、松本さんが2003年まで住まいとして使っていた古民家。

 松本さんの作品は器などにとどまらず、JR金沢駅の陶壁「百花繚乱(ひゃっかりょうらん)」(88年)、石川国体でかがり火をともした炬火(きょか)台などの大作も手掛けた。工芸の里を運営する白山吉野地域振興協議会によると、金彩や銀彩、深い緑色、斬新な形などが、松本さんの作品の特徴。

松本さんの作った器=いずれも白山市吉野で

松本さんの作った器=いずれも白山市吉野で

 今回は、茶わんや杯、小鉢、とっくりなどから、幼児の背丈ほどあるつぼやオブジェが並ぶ。同協議会は「これまで松本さんが秘蔵してきた作品がたくさんあるので、ぜひ見に来てほしい」と話している。

 入場は大人200円、高校生以下無料。休館は火曜(9月22日は開館)。