ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 芸術 2020年09月02日
独自の水墨画を描いた画家丸木位里(いり)(1901~95)の作品を集めた「墨は流すもの―丸木位里の宇宙―」(中日新聞社共催)が1日、一宮市小信中島の市三岸節子記念美術館で始まった。10月11日まで。
位里は広島県出身。妻・丸木俊(1912~2000)との共作「原爆の図」シリーズが著名で、国際的にも高く評価されている。一方、今回の特別展では、位里を一画家としての理解を深めてほしいと、初期から晩年の約80点を展示する。
縦1.8メートル、横7.2メートルの夫妻の代表作「原爆の図 第3部 水」をはじめ、新たに遺族宅で発見された「桜美人図」や、抽象度の高い「馬(部分)」などの大作が並ぶ。「墨は流すもの」と語る位里の、流動的で、前衛的な表現を堪能できる。
野田路子学芸員は「位里は思想も作風もスケールの大きな画家。実物を見て画家の『宇宙』を感じてほしい」と呼び掛けた。
午前9時~午後5時(入場は午後4時半まで)。月曜休館(21日は開館。23日は休館)。一般800円、高校・大学生400円、中学生以下無料。前期と後期で約3分の1の作品を入れ替える。
前期は22日まで。リピーター割引もある。 (下條大樹)