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【石川】小松出身作家 絵画や工芸品展 明治-昭和 きょう初日

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川 | 芸術  2020年09月30日

宮本三郎の「初秋渓流」や秋山喜平の香炉など明治から昭和時代の小松市出身作家らの作品を紹介する林良一代表=小松市園町で

宮本三郎の「初秋渓流」や秋山喜平の香炉など明治から昭和時代の小松市出身作家らの作品を紹介する林良一代表=小松市園町で

 明治時代から昭和時代の絵画や工芸品が並ぶ「小松ゆかりの物故作家作品展」(北陸中日新聞後援)が30日、小松市園町の林画廊で始まる。10月6日まで。

 市内の蔵などから発掘した貴重な絵画や工芸品45点を集めた。ほとんどが市出身の作家の作品。洋画家宮本三郎(1905~74年)の「初秋渓流」は45年、加賀市の山中温泉で描かれた。落ち着いた色合いで、静かな時が流れる渓谷の紅葉や水の流れを表現している。

 背中に柴をのせた牛の香炉「柴牛(しばうし)」は、明治時代に活躍したろう作品の名工、秋山喜平の作品。牛の毛並みまで細かく再現されており当時、人気があった。

 九谷焼では、初代徳田八十吉(1873~1956年)の水指などがある。つややかな黄色の青海波(せいがいは)文様に貝殻が描かれ、当時は斬新なデザインだった。

 漆芸家の吉田楳堂がクワの木を削って作った緻密なハスの葉の彫刻や、いずれも洋画家の西出外佶(そときち)、内本寛一がまだ若手だった昭和30年代に描いた風景画や花の静物画は、見た人を懐かしい気持ちにさせる。数寄者の沢守半翠(はんすい)の茶道具や小松の名家が所有していた掛け軸も展示されている。

 画廊の林良一代表(64)は「明治から昭和の小松はいろいろな文化が花開いていた」と話している。午前11時から午後6時。(問)林画廊090(4687)4945 (長屋文太)