ジャンル・エリア : 愛知 | 自然 | 花 2020年10月02日
豊田市南西部を流れる逢妻女川の両岸で、赤いヒガンバナの花が見ごろを迎えている。地元の逢妻女川彼岸花育成会が24年前から植え続けてきた株は今や200万本に及び、近くを通る人たちの目を楽しませている。ヒガンバナは天王橋(丸根町)から男橋(宮上町)までの500メートルほどに広がる。ほとんどが赤色で、ところどころに真っ白な花も交じる。通り掛かった親子連れは「きれいだね」と目を細めていた。
きっかけは1995年の夏。育成会の安田重隆会長(74)が、セイタカアワダチソウが生い茂る土手の一画に球根50個を植えたところ、秋にはきれいな赤い花が咲いた。花を見つけた安田会長は喜び、仲間を誘って96年に育成会を結成。市の補助金も活用し、年数回の草刈りと球根の植え付けをこつこつ続けてきた。
今年も7月に7万個の球根を植えたが、夏場の豪雨で2万個が土ごと流されてしまった。それでも9月下旬には咲き始め、満開になった。安田会長のお勧めは「川面に映る赤」。枯れた後、12~1月ごろに生い茂る青葉も美しいという。
「踏まれると自分が踏まれたよう」というほど大事に育てているヒガンバナ。「人生最後の仕事だね」と笑った。花の見ごろは11日ごろまで。(服部桃)