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【三重】刃文が美しい「村正」 桑名市博物館、特別企画展「三重刀剣紀行」

ジャンル・エリア : 三重 | 展示 | 歴史  2020年10月22日

県ゆかりの刀鍛冶らの作品が並ぶ会場

県ゆかりの刀鍛冶らの作品が並ぶ会場

 桑名市京町の市博物館が、近年人気の高まる刀剣の展示に力を入れている。本年度から2階で収蔵品を並べた刀剣展を通年で始めたほか、11月29日までは特別企画展「三重刀剣紀行」を開催。特別企画展では、桑名を拠点に室町時代から数代続いた刀鍛冶の名跡「村正」の作品など70点が楽しめる。 (諏訪慧)

 同館は2016年秋に村正をテーマにした企画展を開催。約1カ月の期間中に、予想を大きく上回る歴代最多の1万5000人近くが来館した。

 一方、絵画展などの際には刀を展示しておらず、常時鑑賞できると思い込んだ来館者が「村正が見たかった」と漏らすことが度々あった。要望に応えようと、本年度から、展示品を入れ替えながら2階で常に5点前後を見られるように仕立てた。

 開催中の特別企画展は、県にゆかりのある刀鍛冶らの作品を集めた。目玉は、桑名宗社(同市本町)から借り受けた県指定文化財の村正。16世紀中ごろの作とされ、波打つ刃文が美しい。

三条実美が奉納した村正の短刀=いずれも桑名市京町の市博物館で

三条実美が奉納した村正の短刀=いずれも桑名市京町の市博物館で

 太宰府天満宮(福岡県)所蔵の村正作の短刀も見どころの一つだ。江戸末期の政変で失脚し、太宰府で幽居していた討幕派の公家、三条実美が大政奉還で復位するに当たって奉納した一振り。「徳川家にたたる」と討幕派に好まれた村正の歴史や言い伝えを実感させ、三条実美の討幕の決意をうかがい知ることができる。

 杉本竜館長(50)は「見た目の美しさに加え、歴史的な背景なども楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。特別企画展の観覧は高校生以上500円、中学生以下無料。月曜休館だが、祝日の場合は開館し、翌火曜が休みとなる。(問)同館=0594(21)3171