ジャンル・エリア : オブジェ | サブカルチャー | 三重 | 自然 | 花 2020年10月27日
津市一志町井関の市営複合施設「とことめの里一志」周辺に広がるコスモス畑に、「どこでもドア」が現れた。見ごろを迎えたコスモスに負けない存在感を放っており、「写真映えスポット」として道行く人たちの注目を集めている。
高さ約2メートル、幅1メートルのドアは、遠目からも目立つ鮮やかなピンク色。23日午後に設置されると、近くを通り掛かった学生やコスモスを見に来たカップル、家族連れが次々と立ち止まり、スマートフォンを構え始めた。
近くに住む主婦は、畑横の道路を車で運転中に存在に気付いた。「ユニークだし目立つのでつい駆け寄った」。次女(6つ)は「テレビや映画で見たことある」と、ドアを開けながらポーズを取った。モチーフになっているのは、漫画「ドラえもん」のひみつ道具「どこでもドア」だ。
ドアは20年にわたりコスモス畑を管理する住民団体「平田地区秋桜(コスモス)管理組合」が設置した。見ごろとなる11月に20周年記念のイベントを企画していたが、新型コロナウイルス禍で中止に。代わりに地元を盛り上げる起爆剤にと、町内の建築業者や塗装業者に製作を依頼した。
製作した同町高野の建築業長谷川竜司さん(44)は、自社の倉庫で1年間、天然乾燥させた県産スギを材料に使った。腐りにくいのが特長で「雨ざらしの場所に置いても、メンテナンスをすれば来年以降も置いてもらえる。コロナ禍で経営に苦しむ地元の職人もいる中、技で地元の活性化につなげたかった」と思いを語る。
ドアは11月中旬まで設置する予定で、同組合代表の西広真明さん(72)は「みんなクオリティーの高さに驚いている。コスモスとドアを組み合わせて、多くの人に写真を撮って楽しんでもらいたい」と話している。同3日にはコスモス畑で、JA三重中央による農産物の販売会も開く。 (須江政仁)