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【愛知】世界の鍵と錠、90組が集結 あま市美和歴史民俗資料館で企画展

ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 歴史  2020年10月28日

あま市内の女性から引き取った約90組の鍵と錠

あま市内の女性から引き取った約90組の鍵と錠

 あま市花正の市美和歴史民俗資料館で、11月1日から日本と世界の鍵と錠を約90組集めた企画展が開かれる。個人が趣味で集めたコレクション。構造が複雑だったり、変わった形状だったりする品々が展示される予定で、物珍しい内容となっている。

 9月中旬に市内の60代女性から、「画家だった亡き実父のコレクションがある」と同館に相談があり、約90組の鍵と錠をそのまま引き取った。品々はこの男性が世界を旅行した際に、買い集めたという。

 同館が専門書などで調べたところ、日本、朝鮮、中国、インド、西アジア、米国などで作られた鍵と錠であることが判明。日本製は江戸後期から明治末に作られた物が多く、中国製は清(17~20世紀初頭)の時代に作られた物もあった。インターネットオークションで10万円近くの値がつく骨董(こっとう)価値の高い鍵と錠も確認されたという。

 徳島で作られたとみられる鍵と錠は、確認できた鍵穴は一つだが、鍵は二つある「からくり錠」。何らかの手順を果たせば、別の鍵穴が現れる仕組みだと思われるが、同館の担当者も「どうやって開けるのか分からない」とお手上げ状態。他にも仕組みが分からず、開けられないからくり錠が数個あるという。

 他にも現在はほとんどみられなくなった、鍵の先端を押し出し、バネを狭めて開ける「海老(えび)錠」や、文字を組み合わせて開ける「文字合わせ錠」なども紹介。馬や魚といった生物のほか、琵琶やチェロをかたどったかわいらしいデザインの錠も展示される。

あま市美和歴史民俗資料館が開けられなかったからくり錠(右)や、多彩な形をした世界の鍵の数々=いずれも同市花正で

あま市美和歴史民俗資料館が開けられなかったからくり錠(右)や、多彩な形をした世界の鍵の数々=いずれも同市花正で

 同館の担当者は「実用的な鍵もあるが、職人がアイデアを出し合って作ったような遊び心のある物も多い。あまり目にしない物ばかりなので、楽しんでほしい」と語った。

 入場無料。年内いっぱいは展示を続ける予定。(問)同館=052(442)8522

 (深世古峻一)