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【富山】古代の氷見を垣間見る 市博物館 墨書土器など展示

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 文化 | 歴史  2020年10月28日

稲積川口遺跡の馬鍬(右下)など氷見の古代の遺物を集めた特別展=氷見市博物館で

稲積川口遺跡の馬鍬(右下)など氷見の古代の遺物を集めた特別展=氷見市博物館で

 氷見市博物館の特別展「氷見の郷(さと)の古代−飛鳥・奈良・平安−」が、同館で開かれている。11月8日まで。入場無料。

 7世紀から12世紀の氷見市域は越中国射水郡に属していた。同郡の10郷のうち阿努郷(あぬごう)、宇納(うなみ)郷、古江郷、布西(ふせ)郷が今の氷見市域に相当し、154の遺跡が見つかっている。特別展はこのうち23遺跡から出土した土器や木製品など234点を展示した。

 見どころの一つは多彩な墨書土器。中谷内(なかやち)遺跡(中谷内)の須恵器の杯(8世紀後半)には歌謡担当者を意味すると思われる「歌人」や国学の教官を指す「国博士」の墨書がある。惣領浦之前(そうりょううらのまえ)遺跡(惣領)でも「歌人」の墨書土器が発掘され、国司らによる供宴が行われたと考えられるという。

 川跡から護岸の遺構が検出された稲積川口遺跡(稲積)は、木製品の保存状態が良好。代かきの際に馬が引っ張る「馬鍬(まぐわ)」(7世紀前半)や、げた(8~9世紀)などが出品された。月曜休館。(小畑一成)