ジャンル・エリア : まちおこし | 歴史 | 石川 2020年11月10日
200周年祭開く
金沢市野町の観光名所「にし茶屋街」の入り口に、イベント開催ができる広場とベンチを備えたあずまや、茶屋街の歴史を伝える案内板がそれぞれ完成した。市主催の完成式が8日にあり、関係者は今後の誘客に期待を膨らませた。 (小坂亮太)
広場は「にし茶屋観光駐車場緑地」と名付けられ、一帯にクロマツやシラカシなどが植えられた。市の公共シェアサイクル「まちのり」の自転車12台も備える。景観や回遊性の向上をと、市がビルの跡地を買い取り、案内板と合わせて約6200万円で整備した。
式には地元関係者ら約20人が出席。山野之義市長は「まずは市民や県民、そして遠方の人にも利用していただければ。愛される空間にしたい」とあいさつし、関係者が案内板を除幕した。「にし茶屋街を愛する会」の二口邦夫会長(78)は「新しいシンボルになればいい」と話した。
今年はにし茶屋街ができてから200周年に当たり、式後には近くの西検番事務所で、愛する会による記念祭も開かれた。地元住民らの前で、にし茶屋街芸妓(げいぎ)衆の14人が伝統の素囃子(すばやし)や踊りを披露して祝った。
にし茶屋街では現在、5軒の茶屋で16人の芸妓が活躍している。西料亭組合の中西範子組合長(86)は「芸妓の人数も少なくなっている。ひがし、主計町と3つの茶屋街で手を携えて伝統を継承していかなければ」と力を込めた。