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【石川】古九谷復活の熱 充満 吉田屋窯作品、県九谷焼美術館に展示

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 文化 | 歴史 | 石川  2020年11月19日

過去最多の吉田屋窯作品が並ぶ特別展「吉田屋の逸品」=加賀市の県九谷焼美術館で

過去最多の吉田屋窯作品が並ぶ特別展「吉田屋の逸品」=加賀市の県九谷焼美術館で

過去最多の303点

 江戸時代後期に加賀藩や大聖寺藩領内で生まれた九谷焼「再興九谷」の1つ、吉田屋窯に迫る特別展「吉田屋の逸品-スタンダードからバラエティまで-」が、加賀市の県九谷焼美術館で開かれている。過去最多の303点に上る吉田屋窯作品を紹介。再興九谷の中でも最高峰と呼ばれる吉田屋の魅力を伝えている。前期展は12月6日まで、後期展は12月12日から来年2月14日まで。 (小室亜希子)

 吉田屋窯は大聖寺藩の有力商人、豊田伝右衛門(とよだでんえもん)(1752~1827年)が1824(文政7)年、九谷村(現加賀市山中温泉九谷町)にある古九谷の窯の隣に磁器制作のための窯を築いたのが始まり。伝右衛門は江戸前期に作られた古九谷の独創的なデザインにほれ込み、膨大な私財を投じて古九谷の復活を目指したとされる。

 窯の名は伝右衛門の屋号「吉田屋」にちなむ。古九谷に迫る芸術性と高品質の作品を生産し、当時の富裕層や知識人に高く評価された。だが採算を度外視した品質の追求は経営を圧迫。開窯から7年後の31(天保2)年、移転先の山代温泉で窯を閉じた。

 特別展では、同美術館や県立美術館(金沢市)が所蔵する吉田屋窯の全作品をはじめ、地元の加賀市に伝世する個人蔵の初公開作品が多数並ぶ。紀年銘入りの作品25点で窯の編年を初めて明らかにしたほか、根付(ねつけ)やふすまの引き手といった小品も紹介。多種多様で、完成度の高い作品を鑑賞できる。

 中越康介学芸員は吉田屋窯の魅力を「宝石のように釉薬(ゆうやく)が輝き、絵師による筆遣いが優れている」と指摘。さらに「色や形、筆致が古九谷の影響を受けているのは明らか」と強調し、特別展には古九谷が佐賀・有田産とする「古九谷伊万里論」に一石を投じる狙いを込めたという。「伝右衛門には古九谷の明確なイメージがあった。吉田屋を見れば見るほど、古九谷を知ることになる」と話す。

 全展示作品を収録した図録(A4判176ページ、税込み1500円)を販売している。午前9時~午後5時開館。月曜休館(祝日は開館)。

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