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【三重】伊勢型紙の御朱印、彫師が手染め実演 22・23日、亀山の長徳寺

ジャンル・エリア : イベント | 三重 | 工芸品 | 神社・仏閣  2020年11月19日

型紙を持つ那須さん(右)と、型紙で染めた七宝模様の図柄を持つ能美さん=亀山市関町新所の長徳寺で

型紙を持つ那須さん(右)と、型紙で染めた七宝模様の図柄を持つ能美さん=亀山市関町新所の長徳寺で

 鈴鹿市の伝統工芸「伊勢型紙」の彫師那須恵子さん(38)=同市岸岡町=が22、23の両日、亀山市関町新所の長徳寺で、型紙を使って御朱印を刷るイベントを開く。型紙需要が減る中、「手染めの味わいを楽しんで」と来場を呼び掛ける。 (松本貴明)

 伊勢型紙は、柄や模様を着物の生地に染める際に使われ、1000年以上の歴史を持つ。1970年前後に最盛期を迎えたが、洋装の浸透や、型紙を使わない染色技術の発達で需要が落ち込んだ。

 那須さんは着物好きから伊勢型紙のとりことなり、10年ほど前に会社員から型紙職人の道へ。5年ほどの修業期間を経て独立した。2021年版の県民手帳の表紙カバーのデザインを手がけるなど活躍の幅を広げる一方、販路を確保するために自ら営業をかける日々を送る。東京、名古屋での作品展示やワークショップなどを通じて普及に努める中、長徳寺の副住職、能美寛教さん(42)と知り合った。

 もともと伊勢型紙を使った御朱印を授けていた能美さんは、那須さんの思いに共感。新たな図柄の作成を依頼し、古典「源氏物語」をイメージした型紙など3種類が誕生した。

4枚の型紙を使って染めた阿弥陀如来の図柄。塗料の違いで雰囲気も異なる

4枚の型紙を使って染めた阿弥陀如来の図柄。塗料の違いで雰囲気も異なる

 イベントでは新たに5種類の型紙を用意。長徳寺の本尊である阿弥陀如来や、雲中供養菩薩(ぼさつ)、七宝模様などで、那須さんが刷る。

 能美さんは「複数の型紙を使って染め上げる作業を見ると、ほとんどの人がその技に驚く。その実演も楽しんでほしい」。那須さんは「型紙が染色に役立つことをじかに見てもらえて、普及にもつながる」と期待する。

 両日とも午前11時から午後2時半、同3時から5時。1枚1500円から1800円。事前予約は不要で、あらかじめ刷った御朱印も用意する。車の駐車は亀山市役所関支所近くの観光駐車場へ。(問)長徳寺=070(5335)0393