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【岐阜】迫力のゲート 間近に 丸山ダム 岐阜県八百津町・御嵩町間

ジャンル・エリア : グルメ | | 岐阜 |   2020年11月19日

丸山ダムのキャットウォークを歩き、下流側の川面をのぞき込む見学者と職員

丸山ダムのキャットウォークを歩き、下流側の川面をのぞき込む見学者と職員

 ダムや橋などの大型公共施設を見学する「インフラツーリズム」は、普段は非公開の内部が見られて人気だと聞き、一度行ってみたいと思っていた。選んだのは岐阜県八百津、御嵩両町間の木曽川にある丸山ダム。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月末から休止していた見学が、今月から再開するというので申し込んでみた。

 集合場所は、山深い地にある丸山ダムの少し下流に位置する旧丸山ダム管理所の駐車場。「旧」というのは2029年度、50メートル下流に新丸山ダムを完成させる予定になっており、一足早く管理所が近くに移転したからだ。現在の丸山ダムが見られるのもあとわずか。貴重な体験になるかもしれない。

 見学者は他に3人。通常は職員1人で案内するが、8カ月間の休止開けの初回とあって、職員も4人と手厚い態勢だ。古い百貨店にあったような蛇腹のエレベーターで60メートルほど上り、ビルの屋上のように見晴らしがいい天端(てんば)へ。上流側ではたっぷり水をたたえたダムらしい景色が、下流側はかなり下の方に川面が見える。どちらも遠くには山々が見え、気持ちがいい。

 丸山ダムには緑色のゲートが5つある。ダムにたまる水量を調節するため、必要に応じてゲートを開けて水を流している。国土交通省・丸山ダム管理所の吉田望さんは「梅雨、台風が来る夏から秋にかけて開けることが多い」と説明してくれた。

 天端から一段下にあり、点検などの際に使うキャットウォークに下りてみた。いざ歩くとゲートが間近に見えて迫力がある一方、下流側をのぞき込むと、川に吸い込まれそうで足がすくむ。高所恐怖症の人にはあまりお勧めしないが、普通は見られない景色を堪能できる。

ナンテンのダムカレー。ちくわを引き抜くと、カレーが反対側に流れ込む=いずれも岐阜県八百津町で

ナンテンのダムカレー。ちくわを引き抜くと、カレーが反対側に流れ込む=いずれも岐阜県八百津町で

 八百津町ではもう1カ所寄った。全国的に、ダムが人気を集める地域では、ご飯を堤防、カレーを貯水池に見立てたダムカレーが人気。同町観光協会によると、町内では現在、2軒で食べられる。そのうちの1軒、ナンテンで注文してみた。

 店員の説明によると、カレーの上に浮かぶゴボウ揚げはダムに浮かぶ流木を、反対側にあるブロッコリーは山を、唐揚げは岩をそれぞれ表現しているという。ご飯に埋め込んである5本のちくわはもちろん、5つのゲートだ。真ん中の1本を引き抜くと、カレーが反対側に流れ込む。これは楽しい。ダムカレー通の人にならって「放流」と心の中で叫んでみた。 (金森篤史)

 ▼ガイド 丸山ダム見学は、週に1回くらいの頻度で実施され、定員は4人。40分程度。新丸山ダムの建設の影響で、天端まで上がって見学できるのはあと1年ほど。電話で申し込む。丸山ダム管理所(電)0574(43)1108

(中日新聞夕刊 2020年11月19日掲載)