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【富山】慶事の漆器 華やか 砺波で近代の290点展示

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 工芸品 | 歴史  2020年11月20日

砺波地方で使われた豪華な漆器=砺波市の砺波民具展示室で

砺波地方で使われた豪華な漆器=砺波市の砺波民具展示室で

 砺波地方で明治から昭和初期にかけて祭りや結婚式で使われた漆器の展示が22日まで、砺波市の砺波民具展示室(頼成、庄東小学校3階)で開かれている。石川県の山中漆器や輪島塗など近隣の漆器産地では同市庄川地域の挽物木地も使われ、砺波郷土資料館(花園町)で開催中の庄川挽物の企画展にあわせて開いた。

 国重要民俗文化財「砺波の生活・生産用具」に含まれるお椀(わん)や杯を中心に収蔵品約250点と、市民所蔵の約40点を展示した。

 市民の漆器は松竹梅や鶴亀の蒔絵(まきえ)が豪華に施されている。一部は箱に「大正4年」「喜太郎」と書かれ、明治後期に鷹栖村(現砺波市)で中村喜太郎が職人を集めて作り始めた漆器と分かる。「親戚が集まった時に御膳に並べた」「手入れが大変だった」と解説されている。

 資料館によると、砺波地方では、加賀藩による家の大きさ制限がなくなった明治末から大正半ばにかけてと、戦後復興が進んだ昭和30年前後にアズマダチ家屋の新築が増え、家が大きくなったのにあわせて漆器が買いそろえられたケースが多い。無料。(松村裕子)