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【富山】「屠蘇散」で無病息災を 射水神社が参拝者に授与

ジャンル・エリア : 富山 | 歴史 | 神社・仏閣  2020年12月15日

おはらいを受ける参拝者に授与している「屠蘇散」=高岡市の射水神社で

おはらいを受ける参拝者に授与している「屠蘇散」=高岡市の射水神社で

 射水神社(高岡市古城)は今月から、疫病退散と新年の無病息災を祈願するお屠蘇(とそ)に使う生薬「屠蘇散」を1000袋用意し、厄払いなどおはらいを受ける参拝者に授与している。

 お屠蘇は正月に飲む祝い酒とされているが、本来は生薬を漬け込んだ薬膳酒のことで、平安時代に中国から日本に伝わった。嵯峨天皇の時代から元旦に宮中で天皇が天地四方の神々に平安を祈る「四方拝(しほうはい)」の後に飲まれた。

 同神社は「屠蘇散」の文字の版木を保管しており、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、本来のお屠蘇で新年を迎えてほしいと願って初めて企画した。

 生薬の桂皮(けいひ)、山椒(さんしょう)、陳皮(ちんぴ)、桔梗(ききょう)、大茴香(だいういきょう)、丁字(ちょうじ)、浜防風(はまぼうふう)の7種類を原材料にしたティーバッグで、大みそかの夜に清酒とみりんに7~8時間漬けておくと元旦にはできあがっている。

 同神社はコロナ対策で、年明けに正殿の参拝者の密集を避け、参拝時期が分散するように「幸来詣(さきもうで)」との呼び方で12月中の参拝を勧めている。神職は「千年来の伝統を再確認し、お屠蘇で気持ちを新たにしてほしい」と話す。(武田寛史)