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【愛知】軒連ねる陶磁器店はしご せとものを求めて 愛知県瀬戸市

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 愛知 | 文化 | 歴史 | 特産  2020年12月17日

瀬戸川沿いに並ぶ陶磁器店

瀬戸川沿いに並ぶ陶磁器店

 いつのころからかは忘れたが、焼き物が好きになり、選んで買うようになった。

 専ら行くのは、うちから近い岐阜県多治見市。春の「たじみ陶器まつり」には毎年足を運び、秋には「たじみ茶碗(ちゃわん)まつり」へ。たまには陶芸作家展ものぞく。3枚でいくらという廉価な小鉢や皿を買うことが多いが、通っているうちに気に入った浜田純理さんの黄瀬戸や酒井博司さんの藍色志野に手を出すこともある。

 しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、多治見の催しは春も秋も中止に。もう12月なのに皿1枚も買っていない。よし、行こう。たまには多治見以外に。

 ということで、愛知県瀬戸市へ。多治見なら、実は値札の半額で売ってくれる店を知っている程度には通じているが、瀬戸は初めて。初心者らしく、市観光情報公式サイト「せと・まるっとミュージアム」で見つけたモデルコースに沿って歩くことにした。

 まずは、名鉄瀬戸線・尾張瀬戸駅からすぐの丸一国府商店へ。陶磁器が山積みに置かれ、せとものの街に来たと実感する。瀬戸川沿いには陶磁器店が軒を連ねており、はしごしてみる。この日の目当ては、冬の鍋のときに使う取り皿とお玉を置いておく器。何となく目星を付けて次の店へ移動。また帰りに寄ろう。

市新世紀工芸館では、企画展や陶芸の製作現場などが見られる=いずれも愛知県瀬戸市で

市新世紀工芸館では、企画展や陶芸の製作現場などが見られる=いずれも愛知県瀬戸市で

 次は瀬戸蔵ミュージアム。瀬戸が焼き物の町として活気づいていた昭和の焼き物工場や石炭窯を再現し、1000年以上に及ぶ瀬戸焼の歴史を紹介している。一通り見ると、瀬戸焼が分かった気になる。

 モデルコースでは、次は人気うなぎ屋での昼食だが、行ってみると、売り切れ。公式サイトで別のうなぎ屋「魚六」を見つけたので、向かった。瀬戸では陶工たちのエネルギーの元で、スタミナ料理として親しまれてきたという。うん、香ばしくてうまい。

 すぐ近くに市新世紀工芸館がある。行ってみると、企画展「冬のおくりもの展」を開催中で、陶器やガラスの作品がずらりと並んでいた。ゆっくり見ていると、短い脚が付いた小さな器が目についた。上から見ると、中央の白と周りで鈍く光る紺の対比が美しい。ユリ根のきんとんなどが合いそうだ。三次五三(みよしいつそう)さんという作家の作品らしい。

 つい、衝動買いしてしまったが、川沿いの店に戻り、目的だった鍋で使う器を買ってこの日の買い物が終了。それにしても、帰りに通ったせと銀座通り商店街などで、将棋の藤井聡太二冠を応援する寄せ書きや垂れ幕が目立った。と書いて思い出した。将棋駒の形をした陶製の箸置きを見つけたが、買い忘れた。また来よう。 (金森篤史)

 ▼ガイド 瀬戸市内のおすすめスポットや観光情報については、公式サイト「せと・まるっとミュージアム」に詳しい。市まるっとミュージアム・観光協会(電)0561(85)2730。瀬戸蔵ミュージアムは入館料520円。

(中日新聞夕刊 2020年12月17日掲載)