ジャンル・エリア : 歴史 | 石川 | 神社・仏閣 2021年01月05日
復興委事務局長「本当に長かった」
2007年3月の能登半島地震で大きな被害を受けた総持寺祖院(輪島市門前町門前)の修復工事が14年近い月日をかけて完了し、震災復興の象徴として21年を迎えた。今年は寺の開創700年でもあり、4月には記念事業と修復完了の落慶法要が予定されている。 (日暮大輔)
寺の震災復興委員会事務局長、高島弘成副寺(こうじょうふうす)(47)は「震災から13年以上。ようやく無事に終わることができた。本当に長かった」と胸の内を明かす。地震では境内の国登録有形文化財17棟が全て被災。他にも僧侶が寝起きする座禅堂が全壊するなど、被害は甚大だった。
修復の総工費は約40億円で、半額以上が全国9400寺から集まった寄付金で賄われた。20年までに大祖堂や仏殿、山門といった主要な建物の工事はほぼ完了していたが、回廊など一部の修復が続いていた。仕上げが終わり、昨年12月18日に業者から引き渡された。
復興のシンボルともなる工事完了だが、年末年始は新型コロナウイルスの影響で餅まきなどが中止に。年越しの時間帯、例年なら500人ほどになるという参拝客は数十人と寂しい年明けとなった。高島副寺は「こういう状況だからこそ、心のよりどころとして、お寺が必要だ」と力を込める。
落慶法要は4月6日で、高島副寺は「準備は進めている。全国や地元の支えてくれた皆さんに感謝したい。コロナの中だけれど、700年の寺の歴史を見れば先人も困難を乗り越えてきたと分かり、その重みを感じている」と話した。