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【愛知】絵馬奉納 千仏洞を巡る 愛知県蒲郡市無量寺

ジャンル・エリア : 動物 | 愛知 | 水族館 | 生き物 | 神社・仏閣  2021年01月07日

がん封じなどを祈願するため、無量寺を訪れた人たち

がん封じなどを祈願するため、無量寺を訪れた人たち

 齢(よわい)50ともなると、体のあちこちにガタが来る。定期健診で引っ掛かるのは序の口で、昨秋以降に限っても右目の白内障の手術、右肩の五十肩での病院通い、舌がうまく回らない気がしたので磁気共鳴画像装置(MRI)を使った脳の検査…と忙しい。幸い、脳に異常はなかったが、周囲にはがんになった人もいて、気を付けなければいけない歳になったとしみじみ思う。

 困ったときの神仏頼みということで、「難病封じ」で知られる愛知県蒲郡市の無量寺を訪ねることにした。

 特にがん封じが有名な寺で、境内には全国の参拝者が奉納したがん封じ絵馬がずらり。自身や家族のがんの再発防止を願うものが多いが、中には新型コロナウイルス流行の終息を願う絵馬もあった。

 私も、本堂の入り口脇にあった絵馬を500円で購入し、「全身」のがん予防をお願いした。具体的に治したい箇所がある人は、絵馬に描かれた人体のその部分に、丸を付けるのだそうだ。尾張東部から来たという中年女性は「乳がんが再発しないよう祈願しました」と話した。

 本堂の奥には、中国の敦煌などにある石窟寺院をモデルにした千仏洞がある。さまざまな仏像が置かれた薄暗い洞内をゆっくり歩く。「身代わり如来」とも呼ばれる大日如来像は、治したい箇所を棒でさするといいらしいので、右肩をさすっておいた。

竹島水族館で、深海生物に触る来場者たち=いずれも愛知県蒲郡市で

竹島水族館で、深海生物に触る来場者たち=いずれも愛知県蒲郡市で

 本堂の外に出ると「ぼけ封じ仏」を発見。認知症や脳梗塞にならないよう祈願した。これだけ頼めば、当分健康に生きられるはずだ。

 続いて、全国の水族館ファンに有名な竹島水族館へ。イルカやペンギンなどの人気者はいない小さな水族館だが、スタッフの手書きポップなどがウケている。カブトガニに「おいしくないそうです」、ウツボに「『うわあ、気持ちわる』そのひと言は誉(ほ)め言葉」といった具合だ。

 深海生物に触(さわ)れる「さわりんぷーる」では、子どもたちがタカアシガニやオオグソクムシをこわごわ触っていた。私も、プールに浮いていたオオグソクムシ4匹のかごを引き寄せ、つまんでみた。お、固い。カブトムシのような感じだ。持ち上げようとしたが、かごに足を引っかけて頑張るので、あきらめた。

 最後はカピバラ展示場へ。2匹とも愛嬌(あいきょう)のある顔をしており、ゆっくり動く。のんびりした気分になって、蒲郡の旅を終えた。 (金森篤史)

 ▼ガイド 無量寺は年中無休、拝観無料。名鉄蒲郡線・西浦駅から徒歩5分。(電)0533(57)3865。竹島水族館は入館料500円、原則火曜休館。JR東海道線、名鉄蒲郡線の蒲郡駅から徒歩15分。(電)0533(68)2059

(中日新聞夕刊 2021年1月7日掲載)