ジャンル・エリア : 三重 | 展示 | 歴史 | 神社・仏閣 2021年01月13日
印刷の発祥や変遷を多彩な資料で紹介する「印刷の歴史」展が、鈴鹿市山本町の椿大神社で開かれている。3月31日まで。
印刷の“先祖”でもある印は、御朱印として神社でもなじみ深い存在。一方、行政手続きで押印の廃止が取り沙汰されていることもあり、印刷を企画展のテーマにした。
会場の惟神(かんながら)椿道場参集殿には、版木や木製の字型、印刷物など30点余りが並んだ。倭奴(わのな)国が朝貢先の後漢の光武帝から与えられた金印(複製)や、奈良時代に戦乱の死者を弔うため印刷されたお経「陀羅尼(だらに)」の巻物(同)、文禄の役で豊臣勢が朝鮮半島から持ち帰った銅製の字型で印刷された「日本書紀」(同)もある。
日本で発明され、コピー機の普及で衰退した簡易な印刷法「謄写版印刷」の資料も。作業時の様子から「ガリ版」と通称され、実際に使われていた鉄筆ややすりのほか、謄写版の文字を書く当時の技術者名簿も展示されている。 (片山健生)