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【愛知】無病息災 心の中で祈る 分散参拝の初詣 愛知県美浜町・一宮市

ジャンル・エリア : 愛知 | 歴史 | 神社・仏閣  2021年01月21日

手前のひしゃくで湧き水をくみ、祈願する。奥に並ぶのは願い事が書かれた紙コップ=愛知県美浜町の恋の水神社で

手前のひしゃくで湧き水をくみ、祈願する。奥に並ぶのは願い事が書かれた紙コップ=愛知県美浜町の恋の水神社で

 さして信心深くもないので「初詣は毎年、元日の朝にこの神社へ」などと決めているわけではない。特に今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、密になりそうな三が日を避ける「分散参拝」などが求められる年だ。そこで、混まないよう松の内が明けてから行くことにした。

 たまには知らない寺社を訪ねよう。愛知県公式観光サイト「Aichi Now」をみると、初詣特集があった。熱田神宮、大須観音、笠寺観音、成田山大聖寺、豊川稲荷…残念ながら行ったことがあるところばかり。それでも面白そうな神社を見つけた。

 美浜町の「恋の水神社」。平安時代、恋人の病に効く水を求めてこの地を訪れた姫が、水にたどり着けずに息絶えたという伝説があり、現代ではお参りすれば恋がかなう神社として若者の間で人気だ。

 水色の鳥居をくぐり、少し下ると社が見えた。かなり小さい神社で、供えられた紙コップの多さが目立つ。近づくと、どれにも願い事が書いてある。結婚や彼氏募集、具体的な名前を書いて交際を望むもの、健康祈願などだ。意外に多かったのが復縁の願い。真剣な感じが伝わってきて、神社にすがるのに最も合っている気がした。少し怖い。

 私も200円を払い、作法に従って紙コップに半分ほど湧き水を入れた。妻子ある身には特に願うこともなく、「皆が健康でありますように」と書いて奉納。帰りにすれ違ったのはカップル。きっと2人で1つのコップに書くんだろう。はい、ごちそうさま。

火の輪くぐりをする人たち=同県一宮市の真清田神社で

火の輪くぐりをする人たち=同県一宮市の真清田神社で

 続いて同町内にある野間大坊(大御堂寺)へ。大きな客殿の入り口には「飛沫(ひまつ)を飛ばさないよう話し声は小さく、マスクの着用を」と書いてあり、消毒液が置いてある。これも時代だ。100円で線香を立ててコロナ収束を願った。

 境内には参拝客の姿も。本堂から、平安時代の武将・源義朝の墓へ行くと、健康などを願う木太刀が墓の周りに供えられていた。この地で崇敬されていることが分かる。

 まだ日は高い。行ったことがない尾張国の一宮を参拝しようか。その真清田(ますみだ)神社は一宮市の中心部にあり、参拝客でまずまずにぎわっていた。300円で火の輪くぐりをやってみた。細い火の輪をくぐった後、みこさんのはらいを受け、若水を一口飲んだ。これが今年の初詣の締めだ。看板にあった通りに心の中で祈った。この1年、元気で過ごせますように。 (金森篤史)

 ▼ガイド 恋の水神社=(電)0569(87)3133、野間大坊=(電)0569(87)0050、真清田神社=(電)0586(73)5196=は、いずれも参拝無料。愛知県内の寺社や観光の情報は、県公式観光サイト「Aichi Now」で。

(中日新聞夕刊 2021年01月21日掲載)