ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 歴史 2021年01月26日
江戸後期の越中、加賀、能登の山や川、道が克明に描かれた小矢部市文化財、越登賀三州志附図(えつとがさんしゅうしふず)の複製品が市民図書館に常設展示された。本物は傷んでいて公開が難しく、複製品の公開も初めて。原寸大で大きさを体感できる。
越中国は縦2.3メートル、横約2メートル、加賀国は縦約2.6メートル、横約1.5メートル、能登国は縦約2.9メートル、横約1.2メートル。本来四幅の掛け軸だが、2幅に分けられていた越中国は一幅に合わせた。附図は加賀藩士で郷土史家の富田景周(とだかげちか)が江戸後期に著した地誌「越登賀三州志」の村名を記した図譜村籍に付属する大型絵図。市内の民家で見つかり、市は昨年3月に文化財に指定し、18万円をかけ高精度の撮影データから複製品を作った。
大きすぎて高所からつるしているためやや見にくいが、今もある地名が載っているのが分かる。担当者は「市民が文化財に触れる機会になれば」と話す。月曜休館。 (松村裕子)