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【富山】渋沢 人柄にじむ書簡 高岡市博物館 大河ちなみ展示

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 歴史  2021年03月09日

展示している渋沢栄一の書簡を説明する仁ケ竹亮介副主幹学芸員=高岡市博物館で

展示している渋沢栄一の書簡を説明する仁ケ竹亮介副主幹学芸員=高岡市博物館で

朝鮮情勢伝える新資料

 高岡市博物館は、NHK大河ドラマ「青天を衝け」で注目される近代資本主義の父といわれる実業家渋沢栄一(1840~1931年)の書簡1通を展示している。 (武田寛史)

 書簡は、第一国立銀行のトップだった渋沢が明治14~15年ごろ、後に高岡共立銀行(北陸銀行の前身の一行)の支配人となった第一国立銀行釜山支店主任の大橋半七郎(1853~1934年)に送った手紙。

 朝鮮の釜山支店の状況や仁川港開港に関する領事や公使との面会、国内の本店や支店の営業状況、米や銀の相場などを書いている。書を要望されたことについて「甚だ以(もつ)て迷惑千万です」と書きながら「しかし、折角(せっかく)のご要望ですので次の便で書いたものを差し上げます。何分悪筆ですので、ご笑納ください」とあり、渋沢の人柄がにじみ出ている。

 書簡は同博物館が東京都の古書店から購入。縦13センチ、横168.9センチの罫(けい)紙に筆で書いてある。「渋沢栄一伝記資料」には渋沢から大橋にあてた書簡27通が収録されているが、その中に今回の書簡はなく、同博物館は新たな確認としている。

 同博物館の仁ケ竹(にがたけ)亮介副主幹学芸員は「大橋に対する渋沢の信頼が厚かったことが分かる。渋沢が朝鮮半島の経済進出のリーダーシップを取っていたことも見て取れる」と話す。

 展示は4月11日まで。開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜休館。入館無料。