ジャンル・エリア : まちおこし | グルメ | サブカルチャー | 岐阜 2021年03月24日
関市中之保の巨石「鬼が落とした大石」が、アニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の人気とともに注目を集めている。地元住民は看板を設けたり、「鬼まんじゅう」を提供したりして観光客を受け入れる。そのうちの1人、丹羽政則さん(77)は「中之保の名所にしたい」と張り切っている。 (森健人)
関シティバス関上之保線「多々羅」バス停のすぐ近くにある大石は、直径3メートルと2メートルの2つ。地元の昔話を伝える「伝説ロマンウオークの会」会長でもある丹羽さんによると、石にはこんな言い伝えがある。
「おなかをすかせたある大鬼が子どもたちに食べ物をせがんだところ、イモをもらった。そのお礼にいきおいよく谷川や山を飛び越えてみせると、腰に携えていた大きな石を落とした。その大石が今でも多々羅にどっしりと鎮座している」
大石は、鬼ごっこやかくれんぼの遊び場として長く親しまれてきた。しかし、ここ数年はコケが張り付いて草も生え、訪れる人は少なくなった。
そこに鬼滅人気の追い風が吹いた。主題歌を歌うLiSAさんが市出身でもあり、昨年12月には週刊誌がこの巨石を取り上げた。丹羽さんらは昨年末から看板のほか鬼滅にちなんだ竹製の柵を設置し、客を呼び込んでいる。
近くでカラオケ店を営む長谷部ミツ子さん(80)は、アニメ人気と大石にあやかり、サツマイモ入りの「手づくり鬼まんじゅう」を店で提供し始めた。味は、シンプルな鬼まんじゅうと三温糖入りの2種類を用意。同じ味のものが大小2個で100円。長谷部さんは「鬼滅、鬼の大石、鬼まんじゅうと3つの鬼で盛り上げたい」と意気込んでいる。