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【岐阜】時は移れど味わい不変 滝と焼き肉 岐阜県養老町

ジャンル・エリア : グルメ | 岐阜 | | 自然  2021年04月15日

多くの人が記念写真を撮る養老の滝

多くの人が記念写真を撮る養老の滝

 自分はどのくらい、世の中の変化についていけているのだろうか。最近は動画配信サイト・ユーチューブの隆盛がものすごいが、見るのは中日ドラゴンズのOBらが出るトークチャンネルくらいだ。しかし、家族はかなり見る。お笑いコンビ「とんねるず」の石橋貴明さんの「貴ちゃんねるず」が面白いと言うので、見てみた。その中に、岐阜県養老町とタイアップし、町の精肉店などをPRしている動画を発見。昔テレビでよく見たように、店の人を巻き込んではしゃいでいる。軸足を動画に移しても、笑いのスタイルは変わらないんだなあ。

 というわけで、養老町を訪ねることにした。早い時間に着いたので、まずは古くからの名所、養老の滝へ。養老公園から川沿いの上りを歩く。晴天の下、木々の青葉に川のせせらぎ、小鳥のさえずりが相まって、気持ちのいい世界をつくってくれている。

 30分ほどで滝に着いた。観光客が入れ代わり立ち代わり、滝を背に記念写真を撮っている。滝の説明看板を読んでいるカップルもいた。この地には親孝行の伝説があり、貧しいきこりが、養老山中で酒の香りのする水が湧き出す泉を見つけ、その水を毎日老父に飲ませると、老父はすっかり若返ったという。うわさを聞いて訪れた奈良時代の元正天皇は「この水は老を養う若返りの水だ」と喜んだとされる。カップルは「若返りの名水。それで養老っていうのか」と感心した様子で、隣では家族連れが滝のしぶきを浴びて「気持ちいい」と喜んでいた。皆、楽しげだ。

 下りは養老神社に寄って帰った。件(くだん)の名水ではないかという菊水泉が湧いており、飲んでみた。まろやかで少し甘い気がする。若返るとは思わないが、冷たさが良い。

 さあ、いよいよお昼だ。食肉産業が盛んな養老町は、安くてうまい焼き肉・精肉店が多いことで知られる。公園から近く、お昼も営業していた「養孝園バーベキュー」を選んだ。さすがは飛騨牛だ。きれいなサシが入っていて、甘めのタレで焼き上げると、赤身のうまさと脂身の甘みが調和し、恐ろしくご飯に合う。あっという間にたいらげた。

石橋貴明さんが訪れた手造りハム「一太郎」=いずれも岐阜県養老町で

石橋貴明さんが訪れた手造りハム「一太郎」=いずれも岐阜県養老町で

 最後は手造りハム「一太郎」へ。石橋さんが動画撮影で訪れたうちの1軒だ。ウインナーやベーコンなどを買ったついでに、店の人に聞いてみた。「そう、貴さんが来てくれたんです」と言って壁の写真を指さした。店の人たちと石橋さんが写っていた。

 やっぱり記念写真は撮って飾るんだ。そこは昔も今も変わらない。なんかいい、味わい深いと思った。 (金森篤史)

 ▼ガイド 養老公園は東海環状道・養老ICから車で10分。養老の滝は公園駐車場から徒歩30分、養老鉄道・養老駅から50分。公園事務所(電)0584(32)0501。石橋さんと養老町のタイアップ動画、町内の精肉・焼き肉店の情報は町ホームページから。

(中日新聞夕刊 2021年04月15日掲載)