ジャンル・エリア : まちおこし | グルメ | 富山 | 文化 | 特産 2021年07月06日
「福野縞」でTシャツも
南砺市福野の市街地で、2と7のつく日に朝市が開かれている。福野の市は約370年前に阿曽三右衛門がまちをつくって以来の歴史がある。廃れつつあったが、地元有志団体「福野家守舎(やもりしゃ)」が昨年11月に出店後、数店が出てほそぼそながらも市の伝統を引き継いでいる。 (松村裕子)
午前5時半、福野のメイン通りに、野菜や菓子、キクラゲなどの店が並んだ。元呉服店前でナスやキュウリなどを売るのは、若手男性5人でつくる家守舎。農家のメンバーが育てた野菜を並べ、安価で販売した。
訪れた近くの女性(65)は「市は嫁に来たときから利用している。野菜がほしいので市があるといい」と話した。地元の大家善一さん(75)は「家守舎の若い人たちが頑張っているのに、年寄りも手助けしないと」とキクラゲを売った。
家守舎は昨年、福野の将来像を勉強する中で、福野の歴史を調べたところ「市で成り立ってきたまちなのに市が廃れている」現状に気付いた。12月27日の福野歳(とし)の大市は有名だが、「市あっての福野。歳の市だけやっていてもダメだ」と、昨年11月22日から出店。今年も5月22日から再開した。今後は自分たちが遊休農地で育てた野菜も販売する。
江戸後期から福野で織られていた「福野縞(じま)」を胸ポケットにしたTシャツ(税込み2500円)を作り、市で注文を受けて約2週間後に市で引き渡す取り組みも始めた。言い出しっぺの橋爪央樹さん(45)は「福野縞を伝え、市の目玉商品にもしたい」と張り切る。北川智之代表(42)は「市がいろんな人との交流の場になれば」と期待している。