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【岐阜】“ちゃんとレタス”に感動 食品サンプル体験 岐阜県郡上市

ジャンル・エリア : グルメ | | 展示 | 岐阜 | 文化 | 特産  2021年07月15日

郡上八幡城から見る郡上八幡の町並み

郡上八幡城から見る郡上八幡の町並み

 暑くなってきたので少し北に行こうと思い、岐阜県郡上市八幡町を訪れた。

 まずは郡上八幡博覧館。「水とおどりの城下町」といわれる郡上八幡の歴史など全体が分かる施設だ。パネルやビデオなどで解説してある。

 残念だったのは、国重要無形民俗文化財「郡上おどり」関連だ。踊りの種類や歴史などの説明は書いてあったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、普段ならある実演が見られなかった。

 仕方ない。次は職人町、鍛冶屋町などの古い町並みをのんびり歩き、「水のまち」を代表する湧水、宗祇(そうぎ)水を訪れた。かつては地域の人々が野菜や米を洗い、飲み水をくんだ生活の施設で、環境庁(現環境省)の名水百選では第一号に選ばれた。澄んだ水をたたえており、見ていると観光客が次々にやって来る。

 続いて、郡上八幡城に登った。初代城主は戦国時代の遠藤盛数。山内一豊の妻として有名な千代の父だ。明治期に廃城となるが、その後、4層5階の木造天守が再建された。その最上階からは郡上八幡の町並み、吉田川が見えて晴れやかな気持ちになる。

レタスの食品サンプル作りの手本を見せてくれる池戸さん

レタスの食品サンプル作りの手本を見せてくれる池戸さん

 さて、お昼だ。郡上八幡は水の良さなどから、うなぎがうまいというので、郡上八幡観光協会のホームページで見つけた「うなぎ 釜めし おしどり」へ。香ばしく焼かれたうなぎは美味だった。

 最後は、食品サンプルの体験・販売施設「サンプルビレッジいわさき」。郡上八幡は食品サンプルの発祥の地とされ、生産や観光が盛んだ。

 「作って面白い」というレタスと天ぷらに挑戦。まず、スタッフの池戸陽子さん(52)に手本を見せてもらった。レタスの芯になる白い液体のろうを、42度のお湯の表面に、ゆっくりと白丸を描くように流す。続いて、その隣にくっつけるような形で薄緑色のろうをやや大きめに流したら、白い部分を両手で軽く持って、全体をお湯の中に引っ張り込み、薄く伸ばすと同時にしわを作る。これを何度か繰り返したら大きな“レタスの葉”ができる。最後にふわりと数回折りたたみ、丸くしたら完成だ。見栄えをよくするため、もう1枚“緑の葉”でくるんだら、包丁で2つに切って出来上がりだ。

 見よう見まねでやってみると、意外なことにレタスらしくなった。池戸さんの指導通り、お湯から上げるとろうが固まってしまうので、お湯につけたまま成型するなど、苦労したかいがあった。それにしても、単なる白と緑のろうから、ちゃんとしわと層があるきれいな薄緑色のレタスができるとは。久しぶりに感動を覚えた。

 (金森篤史)

 
レタスとエビの天ぷら=いずれも岐阜県郡上市で

レタスとエビの天ぷら=いずれも岐阜県郡上市で

 ▼ガイド サンプルビレッジいわさきは火曜定休。食品サンプル作り体験は要予約。さまざまなメニューがあり、天ぷら1品とレタス1個の場合で900円。(電)0575(65)3378。観光施設の入場券は郡上八幡城が320円、郡上八幡博覧館が540円、共通券が650円。

(中日新聞夕刊 2021年07月15日掲載)