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【愛知】札幌ご当地絵本とコラボ 一宮の飲食店でモーニングメニュー

ジャンル・エリア : イベント | グルメ | 展示 | 愛知  2021年08月25日

原画展のイベントに合わせ、一宮の飲食店を訪ねたなかいさん(右)=一宮市祐久のラパンアジルで

原画展のイベントに合わせ、一宮の飲食店を訪ねたなかいさん(右)=一宮市祐久のラパンアジルで

 三岸節子記念美術館(一宮市小信中島)で開かれている札幌のご当地絵本「おばけのマール」シリーズの原画展に合わせ、飲食店などがマールにちなんだメニューを提供している。一宮市内だけでなく、札幌の店も参加。最新作では、コロナ禍で苦しむ飲食店を応援しようと、一宮名物のモーニングを題材としており、現実の世界でも輪が広がっている。 (小中寿美)

 最新作「おばけのマールとモーニングのあとで」は一宮が舞台で、モーニングが重要な役割を果たす。同館では7月から原画展を開くとともに、一宮商工会議所や会員制交流サイト(SNS)を通じ、マールにちなんだメニューを提供する店を募集。26の飲食店などが参加する。

 絵本でモーニングをテーマにしたのは、文を担当するけーたろうさんのアイデアだった。「コロナ禍の中、飲食店を応援したかったから」として、参加店が自由にマールをメニューに取り入れることも了承した。

 一宮市住吉二の「オリーヴの木」はモーニングの1皿に、マールの顔を描いた大きなマシュマロを添える。インスタグラムでも紹介されて人気メニューとなり、「新しいお客さんがすごく増えた」と長谷川久芳店長(27)。昨年2月に開店後、コロナ禍になり、経営に悩む時期もあったが「これを機に、モーニングをたくさんの人に楽しんでもらいたい」と手応えを語る。

 札幌市北区の「神野喫茶店」は、マールの顔を描いたジャムサンドなど、子ども用のモーニングとして提供する。店主の神野弘康さん(48)は名古屋市出身。以前提供していたモーニングはコロナ禍で中止していたが、マールメニュー限定で復活させた。神野さんは「ドリンクに食事が付くというモーニングの仕組みを、札幌の人はまだあまり知らない。家族でモーニングを楽しんでもらえれば」と期待する。

 参加店舗では、在庫があれば、マールを描いたカラフルなバッジもプレゼントする。絵を担当するなかいれいさんは3月の取材に続いて、7月にも一宮市内を訪れ、参加店舗を行脚。店員や客のサインにも応じた。「札幌でしか知られていなかったマールを、多くの人に知ってもらう機会になれば」と話す。

 原画展は9月1日までだが、参加店舗からは「マールメニューを続けたい」との声も上がっている。

 おばけのマール 札幌市の名所や風物をテーマにしたご当地絵本のシリーズで2005年に始まり、一宮市が舞台の最新作は11作目に当たる。第4作が北海道立三岸好太郎美術館を舞台にしていたことから、パートナー館の三岸節子記念美術館が打診して実現した。