ジャンル・エリア : グルメ | 特産 | 石川 2021年08月27日
24歳新入社員 山本さん考案
白山市木滑(きなめり)のジビエレストラン「山立会(やまだちかい)食堂」が、白山麓産のオオヨモギ粉末を使った和風スイーツのヨモギプリン(税込み300円)を提供している。地元では草餅に使うことから「もちぐさ」とも呼ばれるオオヨモギの爽やかな香りや、粒あん、ホイップクリームの甘さが味わえると、じわじわと人気を集めている。土日限定で20個のみ。(吉田拓海)
ヨモギプリンは冷やされた小さな湯飲みに入っていて、スプーンですくうと程よい弾力がある。プリン部分の材料は牛乳や卵、砂糖、ヨモギ粉末のみ。底に沈む粒あんや、上にのったホイップクリームが優しい甘さを添える。
オオヨモギは、標高が高い山地に生えるヨモギの仲間で、一般的なヨモギよりもあくが少なく、大きな草丈が特徴。おきゅうに使うもぐさの原料にもなる。
食堂を運営する山立会は、ヒツジの飼育など中間山地の産業確立に取り組んでいる。オオヨモギ粉末と塩をブレンドした「山よもぎの塩」を商品化している。
オオヨモギの葉が柔らかい5月、同市瀬波で、住民の協力を得て約100キロを刈り取った。重曹入りの熱湯でゆでてあくを抜き、乾燥させて製粉し、ヨモギ粉末を製造した。
ヨモギプリンを考案したのは、ヒツジ飼育を担当する山本真奈未さん(24)。山本さんは今年4月に同会に入社し、週に1回、食堂の厨房(ちゅうぼう)にも立っている。
同会らしいスイーツを考えていて、偶然、厨房に置いてあったヨモギ粉末に目が留まった。食堂立ち上げ時に導入し、ほとんど使われていなかったスチーム調理器で、ヨモギプリンを作ることを思い付いた。
趣味の菓子作りで磨いた腕を振るって、滑らかな口当たりに仕上げ、6月にメニューに加えたところ、客の評判も上々。山本さんは「里山ならではのスイーツを味わって」と話す。(問)山立会076(255)5579