【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【富山】黒部奇譚 37話紹介 「八百比丘尼伝説」「愛本の粽」「雞を食べない氏子」

【富山】黒部奇譚 37話紹介 「八百比丘尼伝説」「愛本の粽」「雞を食べない氏子」

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 歴史  2021年09月16日

「愛本の粽」の関連資料などを展示したコーナー=黒部市歴史民俗資料館で

「愛本の粽」の関連資料などを展示したコーナー=黒部市歴史民俗資料館で

市制15周年、歴史民俗資料館

 黒部市歴史民俗資料館は、市制15周年記念特別展「黒部奇譚(きたん)-伝説の地を紐(ひも)解く-」を開いている。村椿地区の「八百比丘尼(びくに)伝説」、下立地区の「愛本の粽(ちまき)」、三日市地区の「雞(にわとり)を食べない氏子」など、市内の伝承37話を紹介している。11月30日まで。 (松本芳孝)

 「八百比丘尼伝説」は、人魚の肉を食べて800歳の長命を保った女性、八百比丘尼が村椿地区で生まれた話。江戸後期の加賀藩士太田頼資がまとめた「能登名跡志」に記述がある。八百比丘尼伝説を出生地、居住地、塚・墓、入定地、植樹地、その他に分けて記し、伝説の伝わり方を考察した分布図なども展示した。

 「愛本の粽」は、下立地区にある愛本姫社「大蛇お光行列」の基になった蛇婿との異類婚話。お産で蛇体となった姿を親に見られ、親と絶縁するが、生活に困らないよう、ちまきの作り方を教えて去ったという内容。お光の姿を描いたとされる絵のレプリカなどを展示した。

 「雞を食べない氏子」は、同市三日市の八心大市比古神社(通称・三島神社)の遷座にまつわる話。かつて同市嘉例沢にあった神社でニワトリがなき、光の矢が三日市方向に飛んだ。氏子は神のお告げと捉え神社を移転。ニワトリを神の使いとして食べなくなったという筋。1689(元禄2)年に同神社に奉納された「鶏之図」絵馬(市文化財)などを展示した。

 館の担当者は「コロナ禍で遠出できない人たちに、ふるさとを見つめ直すきっかけにしてもらいたい」と話した。

 入館料は高校生以上300円、中学生以下無料。10月2日に伝説の地を巡る現地研修会を開く。事前申込制で、定員は先着15人。参加無料。