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【岐阜】古民家が「無人ホテル」に 郡上、食事や土産は地域の店で

ジャンル・エリア : その他 | 岐阜  2021年10月07日

「THE OAK GUJO」の玄関とリビング。手前の端末の操作でチェックインできる=郡上市八幡町島谷で

「THE OAK GUJO」の玄関とリビング。手前の端末の操作でチェックインできる=郡上市八幡町島谷で

 スタッフが常駐しない「無人ホテル」が、郡上市八幡町島谷に開業した。レストランやルームサービスを用意しない代わりに、周辺の飲食店や小売店と連携。備え付けのタブレット端末で食事や買い物、観光の情報を案内する。イベントの企画やクーポンの発行にも取り組み、地域での消費を後押ししている。 (山本真士)

 施設名は「THE OAK GUJO(ジ・オーク・グジョー)」。築100年を超える2階建ての古民家を改装した。1日1組限定の1棟貸しで、最大で6人まで泊まれる。インターネットで予約すれば、現地のタブレット端末の操作でチェックインできる。

 建築設計は八幡の歴史や文化を尊重。藍染めを装飾のアクセントに使い、地域で採取した川石を廊下に敷いて水流を表現した。一方で設備面はデジタル技術を活用。独自の観光情報を伝える端末を置き、ネット配信で映画が見られるプロジェクターを設置した。

 利用者が町の魅力を感じられる企画も重視。夏は地域の事業者と連携し、浴衣の着付けやラフティングの催しを開いた。秋にはバーベキューやサイクリングを計画するなど、年間を通じて体験を提供する方針。周辺店舗で使える独自のクーポンも発行している。

 全国でマンションの大規模修繕などを手掛けるカシワバラ・コーポレーション(山口県)が、宿泊事業の1号店として開業した。4月から本格的に稼働している。無人化は当初は人件費抑制などが目的だったが、感染症対策にも有効なことから、観光・宿泊業が苦境に陥ったコロナ禍でプロジェクトを推し進めた。

 建物のデザイン性の高さや広々とした空間が評価され、家族連れや女性グループの利用が多いという。プロジェクトリーダーの伊藤匡平(きょうへい)さん(32)は「地域に根差した暮らしを体験できる施設にしたい。町を盛り上げる場所の一つとして機能できたら」と思い描く。

 基本料金は1泊1組6万円で、時期によって変動する。公式サイト「THE OAK」や「Yahoo!トラベル」で予約できる。