ジャンル・エリア : まちおこし | 甲信越 2021年10月15日
大鹿村の地芝居「大鹿歌舞伎」(国重要無形民俗文化財)を題材にしたご当地ポスト「大鹿カブシャンポスト」が14日、村内の道の駅「歌舞伎の里大鹿」にお目見えした。投函(とうかん)した際に歌舞伎のせりふや掛け声が流れる仕組みで、音が鳴るポストは、管理する日本郵便信越支社管内では初めて。 (二神花帆)
ポストのデザインは村の地域おこし協力隊の中村勝也さん(40)、周子さん(42)夫婦が手掛けた。黄色を基調に、雲のすきまに大鹿歌舞伎の役者が演じる人物のイラストをちりばめた。ポスト上部には、歌舞伎の舞台を表すモニュメントも設置。センサーが手の温度を感知して音が流れる仕組みで、歌舞伎の上演に携わる大鹿歌舞伎愛好会や村内の小中学生によるせりふや掛け声を聞くことができる。
道の駅にポストがほしいとの住民の要望を機に、ご当地ポストの構想が持ち上がり、村と信越支社で企画した。従来の赤ポストと異なる、地域にあったデザインの「特殊ポスト」は県内に7カ所あり、飯田下伊那地域では阿智村に続き2カ所目。
14日にあった除幕式には、大鹿小学校2年生5人も出席し、県外に転校した友人への手紙を投函した。
児童(8つ)は「皆が喜ぶ絵が描かれてる。声が流れてきてワクワクした」と話した。
除幕に合わせ、道の駅ではポストのイラストを印刷したポストカード7種を発売。1枚120円(税込み)。売り上げの一部は同会に寄付され、大鹿歌舞伎の継承に役立てられる。
中村さんは「設置を喜んでもらうにはどうしたらいいのかを考えた。写真を撮るだけでなく、投函して利用してもらえるポストにしたい」と語った。