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【愛知】知多半島、悠久の歴史感じて 大府と東浦の資料館で企画展

ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 文化 | 歴史  2021年11月16日

知多半島北部で出土した土器の数々=大府市歴史民俗資料館で

知多半島北部で出土した土器の数々=大府市歴史民俗資料館で

 大府市歴史民俗資料館と東浦町郷土資料館で、それぞれの市町内で出土した遺跡にちなんだ企画展が開かれている。担当者たちは「展示物を通して想像して楽しんでもらえたら」と話している。 (栗山真寛)

 大府市歴史民俗資料館の「古墳時代初頭の知多半島」は、2019年に発掘した同市朝日町の桟敷(さんじき)貝塚の報告書が刊行された記念に開催。93平方メートルの小規模な遺跡ながら、市内初の明確な竪穴住居が出土し、展示では住居が使われていた時代に焦点を当てた。

 146点の展示物は、同時代の東海、知多両市の遺跡の土器を取り寄せるなどし、県内ではここだけに見られる高地性集落を築いた知多半島北部の独自性を明らかにしている。台湾や沖縄の文化と比較して、遺跡に住んでいた人たちを想像する文化人類学的な視点の展示もある。

 担当者は「中国では三国志、国内では卑弥呼の時代に近く、畿内や九州の話ばかりだが、知多北部にも魅力的な遺跡があることを知ってほしい」と話す。12月12日まで。月曜と毎月最終金曜は休館。

天白遺跡で出土した小型の貯蔵用のつぼ=東浦町郷土資料館で

天白遺跡で出土した小型の貯蔵用のつぼ=東浦町郷土資料館で

 一方、東浦町郷土資料館の「天白遺跡-知多半島最大の集落に生きた人々-」は、17年度に発掘した同町緒川の4300平方メートルの遺跡で、縄文から近世まで断続的に営まれていた人々の生活を紹介。土器、石器、勾玉(まがたま)など148点を展示している。

 住居跡の柱穴から弥生時代の住居の広さを復元したコーナーや、奈良時代の住民が租税として都まで運んだ塩の重さを体感できるコーナーも開設。担当者は「地元にこれだけ広く、たくさんの遺物が出ている遺跡があることを、それぞれの人の好みの視点で知ってもらえたら」と話している。12月19日まで。月曜休館。