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【石川】日本占領地の切手 平和考える資料 羽咋で岡本さん展示

ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 石川  2021年12月08日

「占領地切手」として展示している岡本孝二さん=羽咋市の柴垣郵便局で

「占領地切手」として展示している岡本孝二さん=羽咋市の柴垣郵便局で

中国、東南アジアなど

 真珠湾攻撃による日米開戦から80年となる8日から、日本がかつて占領した地域の切手展が羽咋市柴垣町の柴垣郵便局で始まる。同町出身の元中学美術教員でデザイナーの岡本孝二さん(77)=金沢市利屋町=が平和を考える機会にと、亡父の遺品のほか約10カ国の13種類を展示した。28日まで、平日のみ。 (松村裕子)

 1941(昭和16)年から45年の終戦まで、中国や東南アジアなど日本軍の占領地では、「大日本帝国郵便」と印刷された切手や、発行済み切手に地域名の印を押した切手が発行された。

 岡本さんは約30年前、実家の土蔵で、父の遺品の中にシンガポール陥落の記念切手を見つけたのを機に、占領地関連の切手収集を始めた。教員時代は平和教育の題材にし、戦後70年の2015年や17年にも羽咋市内の郵便局で展示した。

 切手は2.5倍に拡大コピーして、縦約80センチ、横45センチの手作り地図パネルに張り付け掲示した。河北や山東など中国、明治の軍人乃木希典(まれすけ)やゾウをデザインした香港、旧ビルマ、フィリピン、スマトラなどの切手がある。感想を書くはがきも添えた。

 自身を含め戦後生まれが増えて戦争体験の風化が進む中、岡本さんは「日本が赤道に及ぶ広い地域に侵攻したことを切手で実感してほしい」と話す。