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【石川】県美コレクション 文化たどる 茶道具や前田家愛蔵品 展示始まる

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 文化 | 石川 | 芸術  2022年01月28日

金沢ゆかりの茶道具を集めた展示。手前は野々村仁清作の重要文化財「色絵梅花図平水指」

金沢ゆかりの茶道具を集めた展示。手前は野々村仁清作の重要文化財「色絵梅花図平水指」

 県立美術館の所蔵品を年10回に分けて披露するコレクション展示が27日、金沢市出羽町の同館で始まった。加賀前田家の愛蔵品をはじめ、金沢ゆかりの茶道具を集めた企画など、4000点に上る所蔵品から、時代と作品種類ごとのテーマに合わせた逸品を紹介する。2月20日まで。

 古美術の茶道具は、金沢の素封家山川家の収集品を主に構成する。重要文化財指定の野々村仁清作「色絵梅花図平水指」に、萩や伊賀、志野といった国内産地の茶器から、白鳥をかたどったオランダ・デルフト焼の香合、朝鮮半島からの伝来品と多岐にわたる。担当者は「立派な道具が伝わってきた。茶道文化が盛んだった金沢ならでは」と説明。13世紀の天目茶わんをはじめとした前田家の茶道具や清水裂など、前田育徳会所蔵の35点も展示する。

 近現代の工芸品は、明治の陶芸、漆芸、金工作品を特集。従来は作品評価が低い時代とみなされたが、海外で名声を集めたことで、近年価値が見直されているという。九谷庄三作「色絵金彩花鳥文大香炉」の金を多用した華やかな装飾には、輸出を意識した特徴が表れる。

近現代の工芸作品を紹介する展示=いずれも金沢市出羽町の県立美術館で

近現代の工芸作品を紹介する展示=いずれも金沢市出羽町の県立美術館で

 このほか冬の作品を集めた近現代の絵画や彫刻などもある。観覧料370円。大学生290円、高校生以下無料。 (古谷祥子)