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【岐阜】武芸川の名所を1冊に、遠足にも活用 地元郷土史研究会が発行

ジャンル・エリア : まちおこし | 岐阜 | 歴史  2022年03月02日

完成した冊子をPRする堀野さん(左)と古田会長=関市役所で

完成した冊子をPRする堀野さん(左)と古田会長=関市役所で

 関市武芸川町の住民有志でつくる「武芸川郷土史研究会」は、地元の歴史遺産36カ所をまとめた「武芸川ふるさと名所探訪」を発行した。編集責任者の堀野慎吉さん(73)は「武芸川には古墳や寺院など遺産がいっぱい。後世に伝えていきたい」と話している。 (森健人)

 堀野さんが中心となり、編集委員4人が町史を読み込んだり取材を重ねたりして記事を執筆。一色保木山(武芸川町宇多院)のカタクリや、江戸幕府3代将軍徳川家光の乳母、春日局がしばしば参拝したとされる汾陽(ふんにょう)寺(武芸川町谷口)の参道など色鮮やかな写真とともに紹介している。

 堀野さんは3年前から本格的に調査を始め、昨年から2カ月に1回の編集会議で進捗(しんちょく)を報告。昨秋に完成し、3000部を発行した。市内小中学校や公共施設、町内全世帯に配るほか、小学生が遺産を巡る「ふるさと遠足」でも活用する。

 制作には多くの資金が必要だった。市の補助金を活用したほか、1989(平成元)年に武芸川中学校を卒業した経営者グループ10人から30万円の寄付を受けた。そのうちの1人、恩田真二さん(47)=マコト社長=は「地元に恩返しする気持ちで、地域貢献を続けたい」と話す。

 堀野さんと編集委員の古田正雄会長(86)、経営者グループの恩田さん、長井智佐修さん(47)=長井シェル技研社長=は先月25日、市役所を訪れて尾関健治市長に冊子の完成を報告。尾関市長は「武芸川には貴重な遺産が多い。冊子を見て現地に足を運んでもらう入り口となれば」と期待した。