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【三重】新鮮な伝統の味 大満足

ジャンル・エリア : グルメ | 三重 | 展示 | 文化 | 特産  2022年03月03日

はまぐりプラザの目の前には、赤須賀漁港。ハマグリ、シジミなどの貝類、シラウオなどを主に漁獲している=三重県桑名市で

はまぐりプラザの目の前には、赤須賀漁港。ハマグリ、シジミなどの貝類、シラウオなどを主に漁獲している=三重県桑名市で

 厳密に言えば、ハマグリは好物ではない。好物とはカレーとかラーメンとか豚カツとか、日ごろ慣れ親しむ食べ物に使うべき言葉だろう。さて、ハマグリ。おいしいことは知っている。しかし、ハマグリを買うお金でアサリをどれだけ食べられるか考えてしまう私のような人間が「好物はハマグリ」と言うのは、あまりにもおこがましい。

 おこがましいハマグリだが、きょう3月3日は桃の節句、ひな祭り。ハマグリをいただく習わしの日である。せっかくだから、新鮮でおいしいものをと、三重県桑名市の赤須賀漁港隣の「はまぐりプラザ」に出掛けてみた。

 目指すのは、2階の食堂「はまかぜ」。焼き網を乗せたこんろのある卓上に、あらかじめ予約していた「焼きはまぐり定食」が到着。ご飯、ワカメのみそ汁、ハマグリのフライに、アルミホイルに包まれたハマグリが4個。目の前で蒸し焼きにするのだ。

 店員さんから「貝殻の口が開いて、アルミホイルが押し広げられたら食べごろ」と説明を受け、火が通るのをじっと待つ。ホイルの合わせ目に少し隙間ができてきたが、「まだまだ」らしい。食べごろが本当に分かるか心配し始めたころガサガサッと音を立てて、ホイルが開いた。中では殻を全開にしたハマグリが湯気を上げている。

ホイルに包み、蒸し焼きにしたハマグリ=三重県桑名市のはまぐりプラザで

ホイルに包み、蒸し焼きにしたハマグリ=三重県桑名市のはまぐりプラザで

 写真を撮るのもそこそこに、早速かぶりつく。蒸し焼きの効果で、肉厚の身は柔らか。かみしめるたび、口の中に潮の香りが広がる。全く雑味のない海の味には、優しい甘みも感じる。水揚げしたばかりのハマグリの自然な塩味で、塩やしょうゆを足す必要もない。縦5センチ強、横10センチ弱の大きな貝殻にみっちり詰まった身はボリュームたっぷりで、大満足だ。

 館内にはハマグリ漁を紹介する展示スペースも。木曽三川の河口に位置する赤須賀周辺は干潟が広がる好漁場。江戸時代から「その手は桑名の焼きはまぐり」の地口で親しまれた。昭和40年代には年間2000~3000トンの水揚げがあったが、埋め立てや地盤沈下などの影響で干潟が消失。赤須賀漁業協同組合では、1人当たりの漁獲量や出漁日を制限したり、稚貝を放流したりして資源保護に努めているという。お値段がするのは当たり前なのだと納得した。

 好物というほど親しくなれるかは分からないが、大好きなごちそうが、1つ増えた。 (大山弘)

 ▼ガイド はまぐりプラザは、桑名駅から徒歩35分。車では、東名阪自動車道の桑名IC、伊勢湾岸自動車道の湾岸桑名ICからそれぞれ15分。食堂「はまかぜ」は前11時~後1時半で、火曜定休。焼きはまぐり定食(2300円)は前日までに要予約。他に赤須賀定食(2000円)、はまぐり丼(1500円)など。(電)0594(22)6010

(中日新聞夕刊 2022年3月3日掲載)