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【静岡】舞台裏、見せます「大展示室展」 県立美術館が新装オープン

ジャンル・エリア : 展示 | 芸術 | 静岡  2022年04月07日

ハロゲンランプ(右)とLEDの違いを体感できる照明コーナー

ハロゲンランプ(右)とLEDの違いを体感できる照明コーナー

 改修工事のため昨年9月から休館していた県立美術館(静岡市駿河区)が、リニューアルオープンした。工事完了直後で作品を展示できない期間であることを逆手に取り、展示の舞台裏を見せる「大展示室展」を開催している。ホームページ(HP)は、3D画像で見る彫刻などデジタルアーカイブを充実させた。 (塚田真裕)

 照明や展示用フックといった作品を見せる道具や作品の保存箱、移動時に使うケースなど普段は見られない舞台裏の道具がずらり。作品を展示する可動式の壁もある

 室内の環境を常に一定に保てるよう湿度や気温を測って記録する機械や、空気清浄器が付いた保存箱からは、作品を傷めないための工夫が伝わる。

 ハロゲンランプと発光ダイオード(LED)照明による作品の見え方を比較したり、来館者がスイッチを押して、作品を照らす範囲や明るさを調整して違いを体感できたりするコーナーもある。

アナログの温湿度計。各部屋にひとつ置いてきめ細かく管理する

アナログの温湿度計。各部屋にひとつ置いてきめ細かく管理する

 学芸員の南美幸さんによると、改修工事で使った塗料などが作品に影響するおそれがあるため、一定期間は放置する必要があるという。今回はその期間を活用しよう、と舞台裏の展示を決めた。南さんは「照明1つで作品の印象は大きく変わる。さまざまな工夫を知ってもらえれば」と話す。

 また、HPではフランスの彫刻家オーギュスト・ロダンの「地獄の門」の3D画像を公開。マウスで操作して思い思いの角度から作品を楽しめる。江戸中期の南画家池大雅(いけのたいが)の「蘭亭曲水(らんていきょくすい)・龍山勝会図(りょうざんしょうかいず)」(国指定重要文化財)は、拡大してもぼやけない精細画像も公開。マウス操作で好みの部分を堪能できる。

 展示は5月15日まで。大人300円、70歳以上と大学生以下は無料。(問)同館=054(263)5755

油彩画を輸送する時に使う木製のケース=いずれも静岡市駿河区の県立美術館で

油彩画を輸送する時に使う木製のケース=いずれも静岡市駿河区の県立美術館で