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【福井】越前町「桃山窯」で作陶45年 木村さん引退、最後の個展

ジャンル・エリア : 展示 | 福井 | 芸術  2022年05月17日

「天目釉」の作品などが並ぶ木村さんの最後の個展=越前町の県陶芸館で

「天目釉」の作品などが並ぶ木村さんの最後の個展=越前町の県陶芸館で

 越前町小曽原の窯元「桃山窯(とうざんがま)」で45年にわたり作陶に取り組んできた京都市出身の陶芸家、木村好博さん(72)の最後の個展が県陶芸館(同町)で開かれている。木村さんの作品で多い、黒っぽく鉄分の多い釉薬(ゆうやく)「天目釉(てんもくゆう)」を使った食器や大皿などが並ぶ。29日まで。

 木村さんは天目釉研究の第一人者で、県陶芸館の名誉館長を務めた故木村盛和さんに師事。1976(昭和51)年、越前陶芸村で桃山窯を構えた。

 長年、越前で作陶に励んできたが、引退を決め、来年3月に京都に戻る。窯は越前町に移住して陶芸を始めた滋賀県出身の三田村珠美さんが引き継ぐ。

 最後の個展では天目釉の作品を中心に65点を展示。普段使いできる食器などの作品で知られるが、今回は大鉢や大きな絵皿など展示向けの作品も並ぶ。

 「師弟展」と銘打ち、三田村さんの作品30点も展示した。作陶歴はまだ3年ほどだが、木村さんは「ちゃんとやってくれると思っている」と期待をかける。今後も京都に戻るまで技術を伝える。

 木村さんは「その時その時で精いっぱいで、あっという間だった」と作陶人生を振り返り、「最後の個展をたくさんの人に見に来てほしい」と話している。
 (堂下佳鈴)