ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 歴史 | 神社・仏閣 | 近畿 2022年05月25日
禅宗の一派、黄檗宗の開祖でインゲン豆を日本に伝えたとされる中国の高僧、隠元禅師の没後350年目の記念展「黄檗の華」が、栗東市小野の栗東歴史民俗博物館で開かれている。市内外の黄檗寺院に伝わる文化財とともに、禅師と弟子の足跡を紹介している。無料。7月3日まで。月曜休み。
禅師は江戸時代前期の1654年に来日。現在の京都府宇治市に黄檗山萬福寺を開くなどし、73年に亡くなった。滋賀では、黄檗宗の僧侶らが戦国時代に荒廃した寺を再興させることで教えを広め、現在およそ50の黄檗寺院が県内にあるという。
記念展では、栗東市の萬年寺の所蔵品を中心に60点を集めた。中国や日本の弟子らが交流の過程でしたためた書、黄檗寺院として復興する前の旧寺から引き継いだ仏像なども並ぶ。白いひげをたたえた隠元禅師の肖像画には、禅師の教えが直筆で添えられている。
学芸員の中川敦之さん(40)は「禅師が最新の中国文化をもたらし、日本の異なる宗派も新たな教義を学び、そこから新たな文化や美術が生まれた」と話す。6月11日、7月2日のいずれも午後2時から、会場で展示解説がある。
(島将之)